約 3,405,543 件
https://w.atwiki.jp/src_c_material/pages/358.html
電脳戦機バーチャロン 風蒼茶寮 管理人 小沢響介素材区分 UCW 備考 閉鎖 電脳戦機バーチャロンオラトリオ・タングラム マスカレイド 管理人 Shunki素材区分 U 備考 リンク切れ 電脳戦機バーチャロンフォース DIGITAL ATC 管理人 沙里紗素材区分 U 備考 アームドライブラリー 管理人 深緑の鼓動素材区分 U 備考 風蒼茶寮 管理人 小沢響介素材区分 U 備考 閉鎖 電脳戦機バーチャロンマーズ DIGITAL ATC 管理人 沙里紗素材区分 U 備考 星屑と時の詩 管理人 凪波素材区分 PU 備考 風蒼茶寮 管理人 小沢響介素材区分 U 備考 閉鎖
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/279.html
電脳戦機バーチャロン CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON 機種:AC, SS, PC, PS2, PS3, 360, PS4 作曲者:小山健太郎 発売元:セガ 発売年:1995 概要 『バーチャロン』は3D格闘ゲームとそれまでのロボットゲームをミックスしてよいとこ取りをしたような、つまり、操作系を対戦前提にシェイプアップしたことにより格闘ゲームにあるスピーディさと緊迫感を手にしたロボットゲームである。今でこそロボット対戦ゲームは一般的になったが、それはアーケード機やセガサターン向け移植版などで好評を博した『バーチャロン』の功績によるものと言える。また、これまでの対戦型格闘ゲームとは全く異なる、よりアクションゲームに近いゲーム性が完成されていたという意味も含めて「対戦主体のアクションゲーム」のはしりとも位置付けられる存在である。 (Wikipediaより引用) 対戦アクションの金字塔とも言える作品。その独特な開発経緯は、プレイステーション2版の説明書に本作のプロデューサー・亙重郎氏が寄稿した文章で読み取ることが出来る。 「ロボットゲームは売れない」というジンクスを若手社員に思い知らせるため、失敗を前提として開始されたプロジェクト。 当然製作現場は壮絶な状態となり、あちこちで喧々囂々とした論争が起こった。 BGMも例外ではなく、亙氏と担当の小山氏の意思疎通がうまく行かず、亙氏は小山氏が提出する曲を3ヶ月あまりにわたって没にし続けた。 その後ようやく小山氏は路線(当時の小山氏曰く「要はアニソンなんですね」とのこと)をつかみ、以降はコンスタントに名曲を排出するようになる。 路線を解した小山氏が最初に出した曲は「Higher Ground」の原型だったのだが、「In the Blue Sky」に亙氏はほれ込み、誰でも聞くことになる1面のBGMに抜擢する。 結果として亙氏の読みとおり、ゲーム開始時の電子音声や劣勢時の警告音と共に、この曲はチャロナーに強烈なインパクトを与え、彼らから長きに渡り愛される名曲となった。 なお、本作の発売後に本作のストーリーの前日談となるドラマCDが2作発売されており、そちらでは各バーチャロイドのステージBGMのアレンジバージョンが収録されている。1トラックに付き複数の曲をメドレー形式にしてアレンジされているが、 残念ながらバイパーIIのステージ曲「SHE'S LOST CONTROL (S.L.C.)」のみアレンジ版自体が作られていない。 また、これらのアレンジ曲はランキング集計対象外となっている。 収録曲(旧サントラ版/CS版音源) 曲名 補足 順位 Transition アドバタイズ M.S.B.System ver.3.3 VR選択 In the Blue Sky テムジン 第3回386位第4回283位第6回351位第7回363位第8回357位第9回619位第11回889位第12回354位第13回704位第16回948位アーケード22位第2回アーケード21位シューティング89位セガ22位(AC)セガ44位(SS)一面65位1990年代38位 Winner ver.1 勝利 She's Lost Control (S.L.C.) バイパーII セガ89位1990年代245位 Everything Merges With the Night ドルカス 夜331位(AC) Encounter 乱入 Higher Ground ベルグドル Ruins バル・バス・バウ Winner ver.2 完全勝利 Alice in the Wonderland ヤガランデ Loser 敗北 Patience コンティニュー Operation Moon Gate 中間デモ Earth Light アファームド The Wind Is Blowing フェイ・イェン Interlude コンティニュー(フェイ・イェン) Fade to Black ライデン 第13回566位アーケード129位シューティング79位掘り出し148位 Crystal Doom ジグラット Absent Lovers エンディング Waiting Girl エンディング(フェイ・イェン) Burned by the Fire エンディング(重量VR) Atrophy バッドエンド Withdrawal ゲームオーバー From the Moon to Me 未使用曲(フェイ・イェン) In The Blue Sky[Arrange] The Wind Is Blowing [Arrange] 再販版(MODEL2基盤音源)追加曲 hypotension/case 02 未使用曲 hypotension/case 03 hypotension/case 05 SDB/comp 01 SDB/start 03 SDB/start 04 SDB/loser 01 引き分けサウンドテスト曲名「Draw」 SDB/loser 02 時間切れサウンドテスト曲名「Time Out」 Transition'05 PS2版アドバタイズ Everyting merges with the night -SOUND! SHOCK Arrange Ver. In the Blue Sky 2007 -[H.] Arrange Ver.- VOICE 音声エフェクト集 CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON ''CyberNet Rapsodey '' Episode#14 曲名 補足 順位 Next~壊れかけたドアの向こう~ オリジナルソング作詞:Meg作・編曲:大貫貴裕歌 中島洸輝 D_Sequence #1 ドラマ1 メインタイトル アレンジIn the Blue Sky~Higher Ground D_Sequence #2 ドラマ2 危機~逃亡 アレンジAlice in the Wonderland~Transition~Ruins~Interlude D_Sequence #3 ドラマ3 フェイ・イェンのテーマ アレンジFrom The Moon To Me~The Wind Is Blowing D_Sequence #4 ドラマ4 Love 14 ボーカルアレンジThe Wind Is Blowing作詞:Meg作曲:小山健太郎編曲:天野正道歌:Fei Yen(樋口智恵子) D_Sequence #5 ドラマ5 戦闘 アレンジEarth Light~Everything Merges With the Night~Crystal Doom D_Sequence #6 ドラマ6 Believe オリジナル(バーチャロンイメージソング)作詞・作・編曲;田辺智沙歌 樋口智恵子 D_Sequence #7 ドラマ7 大団円 Absent Lovers~Waiting Girl Appendix 出演者挨拶 サウンドトラック 電脳戦機バーチャロン オフィシャルサウンドデータ 電脳戦機バーチャロン オリジナルサウンドトラック 上記サントラの再販版。全曲リマスター音源。 CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON ''CyberNet Rapsodey '' Episode#14 シリーズ第1作の前日談となるドラマCDの前編。ドラマパートとアレンジ・ボーカルアレンジ版を収録。 CYBER TROOPERS VIRTUAL-ON "COUNTERPOINT 009A" Episode#16 ドラマCD第1弾の後編。ドラマパートとアレンジ版を収録。 電脳戦機バーチャロン フォース(メモリアルボックス15) サントラBOX「電脳戦機バーチャロン オフィシャル サウンドデータ 4×6」が同梱。 Disc 1に本作が収録(内容は上記「電脳戦機バーチャロン オリジナルサウンドトラック」と同じ)。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2251.html
電脳戦機バーチャロン マーズ 【でんのうせんきばーちゃろん まーず】 ジャンル 3Dロボットアクション 対応機種 プレイステーション2 発売元 セガ 開発元 ヒットメーカー(旧AM3研) 発売日 2003年5月29日 定価 6,800円(税込) 配信 ゲームアーカイブス2013年3月21日/800円 判定 シリーズファンから不評 ポイント テムジン無双テムジンゲー半分以上の機体が前触れ無く削除ガタガタのストーリーロード地獄フォースの代替品には程遠い収録曲の多さは随一 電脳戦機バーチャロンシリーズ 概要 特徴 問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 概要 ゲーセンで大人気を博した3Dロボット対戦アクションゲーム『電脳戦機バーチャロン』シリーズ第4作。 初の家庭用オリジナル作品で、シリーズ第3作『フォース』稼働から2年後に発売された。 セガ製業務用機基板と家庭用機の性能差やネット対戦環境回りなどの技術的な問題で家庭用移植が実現できなかった『フォース』に代わり、『フォースの入門編』という位置づけで製作されため、システム面は同作に基づいている。 また、「今まで『バーチャロン』に触れたことがなかった新規ユーザーを取り込む」というコンセプトが掲げられており、アーケード版では表立って語られることのなかった世界観やストーリー性が初めてゲーム内で取り上げられたことも大きな特徴となっている。 『フォース』が未発売だったことからファンからの期待も大きかったが、粗が多い出来であったため、ファンからの評価は芳しくない。 特徴 ゲームはマーズ独自のストーリーに沿ってゲームを進める「ドラマチックモード」、純粋に敵を倒して勝ち進む「チャレンジモード」、そして対戦用の「バーサスモード」の三つのモードを遊ぶことが出来る。 ドラマチックモード このゲームのキモで、主人公は戦争の秩序を守る特殊部隊『MARZ』に属し、与えられるミッションをクリアしていく。ゲームを進めるにつれ、これまで設定資料や小説、ドラマCDなどで語られていた設定がゲーム内容に反映されており、バーチャロン世界の根幹にも関わる大きな戦いに発展して行く。 大まかに説明すると、バーチャロンの世界は企業によって統治されており、従来の国家間戦争は廃止され、ルールの中でショービジネスとしての側面を含む限定戦争という形で代用している。そこでヒロイックでショービジネスに向いた戦闘兵器としてバーチャロイド(VR)が用いられており、この限定戦争のルールに違反した者を専用高性能VRを駆使して取り締まるのがMARZである。 ミッションは戦いばかりではなく「護衛」や「探索」などというものもあり、従来のバーチャロンでは見られない多種多様な戦いが楽しめる。 敵VRを撃破すると一時的に能力が上がるアイテムや回復アイテム、設定資料アイテムが入手できることがある。 条件を満たすと機体が支給される。 チャレンジモードは「フォース」のルールを適用したアーケードモードのようなもので、自機と僚機を選んで現れる敵を倒してクリアを目指す。 バーサスモードは文字通り、対戦用のモード。 2人で対戦の場合は縦分割・横分割のみ(SS版OMG同様)で、DC版オラタン等にあった「本体・画面・ソフト2つずつ用意してのシステムリンク」は存在しない。 アクション面のシステムに関しては『フォース』と変わりないため、そちらの記事を参照してほしい。 簡単に言うと、自機の行動によって挙動が変わる3種類の搭載武器(RW(右)/CW(センター)/LW(左))や特殊技などを駆使しながら、敵機体との戦闘を行うものである。 問題点 頻発するローディング 機体選択画面で機体のCGを読み込む度にローディング、タイトル画面でモードを選べばローディング、ミッション開始でローディング、ドラマチックのメニューで項目を選ぶたびにローディング、その他…『メダロットR』を彷彿とさせられる。 とにかく頻繁に発生する。ゲームの進行を阻害する大きな原因で、ストレスになるレベルである。特に機体選択の時に顕著。 小さな画像しか表示しないバーサスモードの準備画面でもローディングが発生する。これは間違いなく内部で機体を画面に表示するときと同じ処理をしている。さらにバーサスモードだけではないが、戦闘開始前にバーチャロイド紹介というローディング時間がある。なぜ二重に読みこむ必要があるのだろうか? 機体の収録数 ファンを激怒させた一番の問題点。フォースから機体のバリエーションはほとんど削られており、残っているのは色や一部パーツを変えただけのマイナーチェンジ機種。悪あがきのような水増しをあからさまに計っている。 マイザー系列には薔薇の三姉妹機は一応入っているが、スペシネフ、バルシリーズ、フェイ=イェン、エンジェラン系列は各系列一機種のみ。フォースで初登場した“景清”は系列ごと抹消されている。 一方でテムジン、VOX、アファームド系列はかなりの数が参戦しているなど、系列毎の偏りが酷い。恐らく、削られた機種はビジュアル面での変化に乏しいため、同系列でも外見の変化が大きいこの二つの機種を優先したのだろうか、一応エンジェランに関して「フォースでは2on2対戦での僚機支援に特化した性能の機体だった為、シングルプレイシチュの多いマーズ用に単騎戦闘用のオリジナルバリエを創作した」とあるのでゲームデザイン的に単騎行動させ難いというのもリストラ理由として考えられる。 フォースの記事を参照してもらえれば分かるが、フォースは多彩な機体が注目を浴びた一方、システムの仕様によって軽々と機体を乗り換えることが出来ず、すぐには自分の願った機体を使えないという問題点を抱えていた。ゆえに本作では自宅で様々なレア機体を試せると期待されていたのだが、裏切られたファンの怒りは相当なものとなった。 なお、各機にはバリエーションと別にカラーリングバリエーションがあるのだが、それを出すのが非常に面倒。ドラマチックの周回がカラーリング出現条件という信じられない機体も。 テムジン系列のあからさまな優遇 テムジンはバーチャロンの「顔」と言ってもいい人気機種なのだが、それにしても先述の「数」に加え、「質」の面でも優遇されすぎている。 まずは、数の面を挙げる。プレイヤーが使用出来るテムジン系機体は10機。 + テムジン系詳細 テムジン707系列 MZV-707S テムジン707S MZV-707S/V テムジン707S/V MBV-707J テムジン707J MBV-707J(SF) テムジン707J スペシャルフォース MBV-04-10/80adv テン/エイティ アドヴァンス テムジン747系列 MZV-747J テムジン747J MZV-747J/V テムジン747J/V MZV-747HII テムジン747HII MZV-747HIIA テムジン747HIIA VR-747 Type-a8 テムジン"護焔艦隊筆頭機" ホワイトナイト MBV-747AII テムジン747AII(チャレンジモードのCPU専用) ちなみにそのほとんどが、外見的にはカラーバリエーション+指揮官用の頭飾りが装備された程度の差異しかない。 707系の機体はテン/エイティ以外はほぼすべてがコンパチレベルの違いしか無く、747系は747J、747H、ホワイトナイト、747AIIと一応差別化はされている。 ちなみに、フォースの基幹機体だった747Aは実はいない。火力と装甲を重視した747Hの対になる存在であった高機動型の747Fもリストラされている。 これ以外の機体だと、多いところでは先述のVOX系列が9機(*1)、アファームド系列の機体がJタイプ・Tタイプ合わせて7機。このように、数の面では他系列にも多いものはあるが、少ない系統に偏っているのは否めない。 続いて「質」の問題だが、この点がとりわけ批判されることが多い。最初から搭乗できるテムジン707Sの高性能さもさることながら、拍車をかけるようにドラマチックモードの中盤で必ず支給される後継機種テムジン747J系が多くの機体の上位互換状態と化しているため。機動力があり、運動性もよく、命中させやすく威力も高い攻撃を備えている為、最初から最後までせいぜい1回の乗り換えだけで十分……というより他機体を使う意味が無い。 + 武装詳細 十字状のカッターを撃ちだすTCW(通称「十字カッター」「十文字」など)は他の機体の似たような攻撃が距離減衰含めてもせいぜい150出ればいい方なのに対し長距離から出しても300ほどのダメージを叩き出す。これだけならまだしも、この十字カッターは実は「敵に当たるとダメージを与えつつ別の敵にもう一度向かっていく」というとんでもない性質がある。 つまり2on2の状況では自分と味方の2ヒットで600ダメージを常に狙える。600という数字にこだわらなければ、倒れている敵に当てて「敵でもその僚機でもない、味方からの攻撃」という奇襲に使える。それでも300なのだからこの攻撃がどれほど強力なのかが分かる。ドラマティックモードでは敵が増えるほどどんどん当たる敵が増えていく。 一応補足しておくと「カッター発射までに二回剣を振るモーションがあるため発生が遅く、弾速は立ちライフル程度で誘導も上下左右どの方向にもかなり弱い」と性能自体は対戦では使い辛い。しかしダウン中を狙えばダメージが下がるが簡単に当てられ、もう片方の敵にも普段通りのダメージを与えられる。そしてほぼ移動しないバーチャロイド以外の敵が同時に、大量に出現する事の多いドラマティックモードとの相性があまりにも良すぎる事が強くプレイヤーの印象に残る。 初期機体のテムジン707Sも確かに高性能ではあるが、装甲値が800しかない。これはマイザー系で最も硬いΗ(イータ)と同じで、つまりは「テムジンを軽量級にしたらどうなるか」という実験機ともいえる。結果実験は大成功で見事に強機体になった。ちなみにテムジン747Jは1000で平均的。一応テムジン747Aの1050と比べ低くはなっている。どうやらMARZには「軽装甲で高機動」の思想があるようだ。 一応「採算度外視の贅沢なチューニングが施されている(MARZの機体には必勝が求められるため)」という公式設定はある。しかし、それならば「ドラマチック限定の強力機体にする」「支給される他機種にも同様に強力な改修を施してプレイヤーに配備する」など方法はいくらでもあった筈だが、そういう気遣いは無い。ただし後者には例外がある。 当然ながら対戦バランスは崩壊し、このテムジン無双とでも言うべき優遇の嵐にファンがMARZに付けたあだ名がテムジンゲー。 + 他の特徴的な機体 テムジン747HII MARZに登場するテムジンで上記のテムジン747Jとほぼ同時期に支給される。 フォースの747Hと比べ装甲値が200以上高い1350(指揮官型のHIIAは1500)もありながらも機動力はテムジン747A以上とトンデモ性能。 しかし元となったテムジン747Hがバランス自体は良いが武装面でほんのり弱機体気味で、そもそも1対多の状況が多いドラマチックで大元の性質が援護機である本機では割と厳しい。 HIIの性能を考えるとおそらく747FのMARZ改修版がいないのは747Jが高機動で(元となったであろう747Aと比べて)軽装甲の位置づけだからである可能性が高い。実際は容量や納期の問題だと思うが。 VOXリー、VOXルー 何故かラインナップに入っている、エネミー用のザコ機体。機動性はそれなりに高いものの、CW関連の武器しか使えない。 VOXシリーズはテムジン系列の様に基幹機種に武装ユニットを換装する事で性能を調整するのではなく、素体に多彩な武装ユニットを合体させる事で様々なVRとして完成させるというコンセプトである。つまり、リーやルーは中の人だけで走り回っている状態に等しい。 リーは小型のグレネード、ルーはダンに似たミサイルしか使えず、後は機体の正面にちょっと判定が出るだけのダッシュ近接と、VOX系共通の特殊武器「ミーロフ・ガン・システム」が使えるのみ。 当然、他機体との性能差は歴然としている。対戦のランダムでこれを引いたら、相手に何もできないまま弄り殺されるだろう。 用途としても縛りプレイ・対戦プレイでの極端なハンデぐらいしかなくオマケ要素に限りなく近い。他の機種系列がひどく冷遇されている中での実装なため「こんな機体をプレイアブル化するくらいなら他の機体を実装しろ」という批判を加速させる燃料になってしまった。 アファームド・ザ・ハッター 後述するハッター軍曹のスペシャルカスタム機。 見た目はテンガロンハットを被ったアファームドTのムキムキなバーニングマッスルだが、武装はアファームドJCのトンファー…だけである。 つまりほとんど射撃攻撃ができない、ダメージソースがほぼ全て近接攻撃の真の漢の機体となったアファームド。一応JCのRWが無くなっただけでナパームやソニックリング、飛んでいくテンガロンハットは使えるが…。 もちろんというべきか、フォースのレギュレーションを守っている機体の中では最高の機動力を持つ。もちろん装甲も厚い。 高機動と重装甲を両立したアファームドザバトラーに比べ、その後継機ともいえるアファームドJCがやや軽装甲になってしまったため、ある意味ではバトラーの正式な後継機…と言えなくもない。 が、やはり対戦では射撃能力の圧倒的な低さから弱機体。バトラーの基本戦術も実は…。 余談ながら、彼の持つ武装はドラマティック・トンファー、必殺技もキック・ザ・ドラマティック。どの辺がドラマティックなのだろうか。 マイザーΔ(デルタ) フォースにも登場するサイファーの後継機。 なぜここにいるかというと、有志の検証の結果MARZのマイザーΔはライデンと全く同じ機動性であることが発覚した。つまり高機動とは名ばかりの軽量級、あるいは重装甲とは名ばかりの重量級。 そんなこんなでMARZ屈指の弱機体として知られている。そもそも機動力のインフレが凄まじいMARZが悪いといえば悪い。 止めを刺すかのように解放条件が非常にめんどくさい薔薇の三姉妹機も一般のマイザーΔと同じ性能。一応S.L.C.ダイブ後に0%にならない武装ができたり、指揮官機のシルビー機のみ一部攻撃が変わっているなど違いはあるにはあるが…。 後述のあの機体ほどではないにしろ、なぜ他の専用機のようにステータスを強化しなかったのか? ライデン(gfk) (E1、E2) OMGの頃から設定として存在していたS.H.B.V.D.(特殊重戦闘VR大隊、通称特戦隊)に特別に配属されている第三世代型ライデンのスペシャルカスタム機。 フレームから通常配備されているライデンと異なる為か、通常のE型ライデンの装甲値が1200なのに対し、gfkライデンのE2型が300以上高い1550で、E1型はなんとゲーム中最高値の1600。テムジン707Sのぴったり2倍である。 それよりもとんでもないのが機動力。初めて戦ったときは10人中10人が確実にその足回りの性能に混乱する。それもそのはず、ダッシュの持続時間こそあまり長くないものの、速度だけならば軽量級の扱いをされているテムジン707Sと同等なのである。 その他様々な硬直の短縮やエネルギー消費量の減少、さらには発射数の増加など、全体的に強化されている。 当然他の超高性能テムジンと並んで対戦バランスの崩壊の片棒を担いでいる。こいつらのせいで唯一MARZにも登場しているフォースの3強の一角であるVOX Janeが中位ランクまで落ちている。Janeも普通に戦えば強いのだが、他が強すぎた。 テムジンa8 白虹騎士団(びゃっこうきしだん)の専属テムジン。その見た目から白騎士、もしくはホワイトナイトと呼ばれている。 モーションと武装はテムジン747Aがベースで、装甲値は通常のE型ライデンと同等、機動性は基本はオラタンテムジンでダッシュキャンセルはオラタン10/80がベースにされている。 つまり重装甲もさることながら機動性がフォースではなくオラタンの機体と遜色ないため、文字通り他の機体とは「次元が違う」強さを有している。とにかく各動作の硬直が少なくフォースの機体はまだしも、MARZの超高性能機体群や前述のgfk系ライデンでさえ歯が立たない。余程遊ばない限り大抵の機体に勝てる。 武装面も隙がなく、威力は低いものの出し方によっては爆風が消える前に次の爆風が作れるLWのボム、フォースに登場したマグロバスターことテムジン707J/CのTRWと同等の威力を持ちながらも硬直は半分近いTRW、威力は低いが相殺性能が高いため相手動かすのに最適な攻撃を最高5連射できるCWのカッター、すれ違う瞬間にダッシュ攻撃を当てられるほどの回頭性能ともはやなんでもあり。 一応近接攻撃回りはテムジン747Aとほとんど同じなので、「近接戦に持ち込めば…」と考えるかもしれないが、原型機の747A自体TRW近接の極悪な判定を持つ突き(通称「牙突」「邪神突き」)を筆頭に近接攻撃が強く、わざわざ近接を振らずとも「回頭性能を生かして至近距離から裏切り前ビ」というローリスクハイリターンな択もあるため、相手の近接戦に付き合う必要さえない。どうしろというのか。 もう一度言うが対戦ではまともに戦っても勝ち目がない。元々フォースは攻撃が当たりにくい仕様で、機動力の高い軽量級が稼働当初カテゴリごと強機体と言われていたことからわかるように、このゲームにおいて総合的な機動性の高さが重要かがわかる。 このハチャメチャな性能から「フォースの家庭用が出た今、MARZを買う価値があるとしたらこの機体で遊べること」とまで言われている。 余談だが、この強さは原作再現。白虹騎士団はMARZ所属機以上のハイスペックVRを取り揃えており、設定では「もともと強力なMARZ仕様のテムジンの16倍の出力を誇り、最大出力時は約256倍もの出力差となる」「所持しているスライプナー一本が普及型のVOX系VRの84倍の値段」という法外な強さを持っている(*2)。この設定を鑑みると狂った強さにも納得できる。 更に言うならマーズ登場機は「大幅にリミッターを課せられた状態」で、「搭乗者自身の肉体にもリミッターが課せられ」ており、これでもまだ本来のスペックには程遠いという有様。 階級システムの苦 本作ではフォース同様に階級システムが存在するが、フォースとは違い戦場に赴く一兵卒ではなくMARZ捜査官という立場上、階級システムはフォースとは異なる仕様になっている。 具体的にはフォースでの階級ランクが候補生から元帥までの合計21階級なのに対し、マーズでの階級ランクは準査から上級特査までの合計8階級となっている。 ミッション終了後の結果画面に「BATTLE SKILL POINT」という項目が存在するのだが、これは所謂戦闘技術得点であり、少ない攻撃で敵機を素早く撃破すればするほど階級が上がりやすくなるのだ。 更に階級が「一査」以上になると指定条件下で精鋭部隊用やイベント戦で登場するボス級のカスタム機を撃破することで該当機体が支給されるようになるのだが、そこに至るまでの条件がかなり厳しい為、ランク上げに途方もない時間が掛かる事になってしまっている。 攻撃力の高い攻撃で素早く敵機を撃破すればするほど効率よく階級を上げることが出来る為、この要領さえ理解できれば二査まで上げるのはさほど苦ではないものの、二査以降は最早周回プレイ必須と言えるレベルに昇格までの要求点数が厳しくなる為、最高位である「上級特査」になるためには腕前やプレイスタイルによっては何十周ものやり込みをしなければならない。後述のようにドラマチックモードは1周分のプレイ時間が決して短くはなく、しかも単調かつ面倒なミッションが多い為苦行に感じる人は多い。特に、多忙でまとまった時間が割けないプレイヤーにとっては致命的な問題である。 シナリオの不備・説明不足 大前提の時点でプレイヤーに具体的な説明がない。まず「敵」が誰でどの陣営なのか、具体的にどんな犯罪をプレイヤーが取り締まるのか、正常な限定戦争とは一体何なのか、戦争中における犯罪とは前線真っ只中に存在しているものなのか…など、設定の根幹が明確に示さないまま物語が進行する。おかげで常に置いてけぼりをくらわされている感が否めない。 例えばバーチャロンの根幹設定である『限定戦争』の場合、OPで大雑把に「商業・興行として取り仕切られた危険な玩具」と説明される。人類が建前は平和を謳いつつ画面越しに戦争を楽しんだり、スポーツやエンターテイメントのように扱っている事は分かるのだが、では「敵」や「犯罪」とは一体何なのか、といった部分には全く触れられない。主任務であるはずの「犯罪の取り締まり」もただ敵を撃破して回るばかりで要諦が分からない。 主人公(プレイヤー)が所属するMARZも、「人気を博している火星戦線のシェア争い激化に伴って増加した犯罪に対処する組織」とされるが、そもそもシェア争いが誰の、そして何のシェアかさえ説明されない。報道や放映、VR開発企業のシェアか?と想像を巡らせても、結局その取締りに戦場まで出動する必要性と結びつかず謎である。 物語終盤、MARZの設立目的は隠れ蓑に過ぎず、真の目的と黒幕が存在することが明かされるのだが、つまり国際的組織傘下にある筈のMARZがある企業の尖兵であった事になってしまう(いわば警察や運営が一企業の私兵集団になっていたようなもの)。MARZ自体が観客に視聴されていてもおかしくないはずだが、対外的にも商業的にも批判されないのか等々、疑問も多い。 主人公の身に起きた様々な不可解な仕打ち(後に黒幕の仕業という事が発覚)は一体何だったのか、中盤まで答える者は誰もおらず、上司もかたくなにそれを秘匿する。「情報漏洩を恐れたのでは」という考え方もできるが、刺客が送られてくる時点で黒幕にMARZの動向は探知されているわけで、情報漏洩への対応としては遅すぎる。その癖主人公に対してはロクな支援が行われない。 突如アクシデントによって転送された危険地帯から離脱を図る最中に、上層部はこちらの危機的状況を知りながら「(重要な意味を持つ)クリスタルを回収せよ」と言い出す。管轄外区域であり早々に離脱しなければならないと警告しながら、である。上層部の怪しさの演出と言えなくもないが、こうして入手するキーアイテムの大半が説明不足、あるいはかなり抽象的にそれとなくヒントを出すといった感じで、シナリオ上の占める意味合いも今一つ伝わって来ない。こうしたキーアイテムはイベント戦を経てNPCから入手する事もあるのだが、大抵「何故持っていたのか」「何故プレイヤーに渡すのか」等をはぐらかして渡してくる。結局理由が明かされないまま終わってしまうので消化不良感も大きい。 中盤、主人公がある理由で戦争が禁止された封鎖区域に入ってしまうのだが、その中で下されるミッションは友軍の基地や仲間の護衛。敵も普通に狙ってくる。さらにはどこから湧いたのか僚機がついている事まである。ミッションは特定のステージで発生するが、その内容はランダムで決まるために、こういった「立入禁止区域から脱出せよ。ミッションは味方輸送機の護衛」などという訳のわからない状況が発生してしまう。 登場キャラクターにもクセがある。 筆頭となるのは無駄に熱い男ハッター軍曹。前半で勝手に人を「心の友よ!」と言っておきながら、上層部にブチ切れて脱走し、戦場をかき回すだけのバーサーカーと化してプレイヤーから所持品を強奪しに来たり、状況に関係なく唐突に助太刀に来たり、プレイヤーを勝手にライバル認定する。ネタとしてはとても面白いキャラであり実際ファンも多いのだが、それはそうとしてストーリー的に一体何がしたかったのかさっぱり分からない。 S.H.B.V.D.やリリン・プラジナーなど熱心なファンには嬉しいキャラクター達も名前などが登場するが、知らないプレイヤーにとっては思わせぶりな台詞や他方での伏線らしき何かが投げっぱなしで勝手に話が進む。 元々バーチャロンのメディアミックスはホビージャパンや電撃ホビーマガジン等の模型誌やプラモデル(*3)等のゲーム書籍ではない媒体が中心であり、バーチャロンを知って間もないようなロボゲーマー層をターゲットとするマーケティングと根本的にズレている。誰もが設定や世界観に興味を持つとも限らないし、それらのメディア媒体に触れられる機会がないという場合もあるため、古参ファンでも設定を知らないプレイヤーは珍しくない。 主人公が前述の「黒幕からの妨害」で月に転送され、敵に襲われているところに別の組織「白虹騎士団(*4)」のメンバーが助太刀してくれるが、なんと彼は「直感」で主人公を巡るトラブル解決に乗り出す事に。組織人・軍人としてそれはどうなのか(*5)。 黒幕についても説明不足な点が多く、その目的も判然としない。プレイヤーはなし崩しに警察任務とは全く関係ない命令ばかりに従わされ、気付いたらなぜか人類の存亡の危機に関わり、よくわからないまま危機の回避に成功したという有様で、エンディングもプレイヤーの活躍で何が起こり、何が解決したのかあやふやでわからない。 + 黒幕と終盤の物語について(ネタバレ注意) 今作の黒幕として扱われる、本作オリジナルの敵キャラにして謎の知性体『ダイモン』は「かつて月面で発見された遺跡『ムーンゲート』の主であり、人類よりも昔、地球圏を支配していた種族の残留思念」という非常にややこしい存在。 『ムーンゲート』とはバーチャロンの設定の根幹に関わる重要な遺跡。バーチャロイドに関連するオーバーテクノロジーの殆どは、このムーンゲートを解析することでもたらされた。 彼は後にネットワークを掌握して水面下で人類を操っていたことが明らかにされるのだが、「なぜ人類を操って限定戦争を仕組ませたのか」「なぜ人類の滅亡を企むのか」という最重要設定は最後まで明らかにはされず、ダイモン自身もラスボスとしての直接対決をしないまま降板してあやふやなまま物語は終了する。そのためEDが非常に分かりづらい。 最終戦でタングラム(後述)を乗っ取りラスボス化…したのかもしれないが、その辺りの描写も乏しく実際のところは不明。 最後はタングラムの謎の語りかけで物語は幕を閉じてしまう。いきなり「Something wonderful」とか言われてもプレイヤーには何が何だかさっぱりわからない。 ちなみに姿はただの「文様の描かれた丸い球」としか描写されない。雑魚タイプの他にボスとしても2タイプあるが、そちらも大きさの異なる球体が繋がっているだけ。初代バーチャロンの根幹にも関わる設定を持っているとは思えないほど地味で小物臭い。 他にもいろいろと突っ込みどころが散見される。もちろん、「あえて無視すべき、楽しい突っ込みどころ」もあるにはある。 単調かつ面倒なミッション 目新しいシチュエーションが増えているが、基本的には任務に関わらず敵を淡々と順次撃破していくだけのものが大半なため、要所で挟まれるイベント戦やボス戦までは作業的になりがち。 特にCOMの思考ルーチンが非常に粗末な作りで、基本的な戦術が露骨なほどこちらの隙を待つものであり、しびれを切らして攻撃したとしてもCOMの特権である超反応をフルに生かしたジャンプによる回避ばかり行う為、もともと攻撃の当たりにくい仕様(*6)もあって通常戦闘のテンポが非常に悪いものになっている。 というかこの思考ルーチンが最低難易度でも最高難易度でもほとんど変わらない為、ノーマルをクリアできればアルティメットクリアもさほど難しくはない。しかし、それは逆にノーマルでも初心者には厳しいことを意味する。実はルーチンが粗末なおかげである攻撃をするとほぼ確定でダッシュ攻撃をしてくるのだが、初心者がそのことを気付けるかどうかはまた別の問題である。 前述の通り僚機がつく場合もあるが、機体を選べない上、闇雲に暴れまわるだけの一辺倒な戦法しか取らないためコンビネーションも難しい。 一ミッションで出現する敵数も多く、長時間の戦闘を強いられるのも難点。 序盤から一対二の戦いが多く、しかも連戦が多く最低難易度でも初心者には辛い。終盤は一対三の戦いもある。 イベント戦ともなると敵側はVRとは思えない異常な耐久力になり、無駄な時間ばかりかかってしまう。いくらカスタム機とはいえ物には限度がある。 ミッションの難易度自体はバーチャロンに慣れている人にとっては易しいのだが、それは先述の標準機であるテムジン707→747系を使用している場合に限る。『上述テムジン以外の機体の数的不利な状況に対する対応力』を全く考えなかった結果、そもそも他機体を使用する事自体が単調な戦闘を伸ばしてしまい、さらにテンポを悪化させるため、機体支給はコレクションして満足するのが実態。 操作システム上から見てどう考えても向かないような三次元的なアクションステージがある。 バーチャロンは確かにジャンプからの空中戦の要素があるが、空中での行動の選択肢はかなり制限があり、見た目ほど自由な動きができない。特に本作のベースとなったフォースはそれが顕著であり、その中でも空中での機動性が低いスペシネフとアファームドでは一部の足場に飛び移れないことも。 このように本作にはどう見たって誰も得をしない仕様やフォースやその他過去作をプレイしていたらすぐに気付くはずのミスが多い。さらに再現性100%のバグもあり、ロクにテストプレイもせずに出荷した疑惑がある。さらに、フォースで使えた半バグの技(回り込みターボ近接や町〇特攻等)がそのまま使えることがさらに疑惑を助長している。 賛否両論点 操作性 残念なことに、これまでの家庭版でお馴染みだったツインスティック(専用コントローラー)が発売されなかった。元々操作が独特なゲームではあるので初体験者や初心者、アーケードに慣れているシリーズファンは苦労するかもしれない。 ただし、PSコントローラのボタン・スティックの多さと、各ボタン機能の割り当てが自由に変更可能であるEDITのおかげで、セガサターンやドリームキャストのコントローラーよりは操作しやすい(ツインスティックを疑似的に表現できるため)(*7)。とはいえ標準で用意されている操作タイプはかなり使いづらいため、必然的に自分でカスタマイズする必要がある。 なかにはSS版等のツインスティックをPS2用に改造して対応させてしまったユーザーがいる。 発売から約10年後に対応ハードは違うものの、待望のMARZで使うことが想定されているツインスティックが発売された。 演出 各ミッション毎にテロップ演出とボイスが入るのだが、ミッション内容と関係のない物が多過ぎる。さらに「あれ、同じテロップ前にもなかったか?」と感じられるほどバリエーションに乏しい。 パイロットの乗っている筈の機体ですら「機体の頭部」が顔グラとして表示されて通信を行うため、喋っているのがパイロットか機体か分からなくなってくる。設定上(ある特別機を除いて)機体そのものが喋るはずは無いのだが、パイロットの乗っている機体ですらやたらと人間らしい細かい仕草をしながら会話をするので、これまた違和感が凄い。また自軍の拠点及びトレーラーの防衛ミッションにおいても、中に人間が乗っている筈のレーダーサイトやトレーラーですら「レーダーサイトの画像」や「トレーラーの画像」が顔グラとして表示されて通信を行うため、喋っているのが人間か建造物か分からなくなってしまっておりこちらもまた違和感が強いものとなってしまっている。リアル系でもスーパー系でもない別の新ジャンル「バーチャロン」が完成している。 それが顕著なのが敵キャラクター「薔薇の三姉妹」が駆るマイザーや、重要人物であるハッター軍曹のアファームド・ザ・ハッター。前者はパイロットのセリフに合わせてお嬢様歩きをしたり、去り際にわざわざ優雅な一礼をして飛び去るなど、前述したような人間らしい動作が目につく。 これに関しては、「 バーチャロイドの制御OSには操縦者の精神とリンクさせるM.S.B.S.(Mind Shift Battle System)が用いられており、M.S.B.S.がONの状態では生き物の様に滑らかで複雑な動作をする(OFFではそういった動きは不可能になる) 」という設定が存在するため、それ自体に矛盾がある訳ではない。 ただハッター軍曹の場合はこれに輪をかけて「人間らしい動作」が多く、OPムービーでは西部劇のガンマンよろしくテンガロンハットを指で押し上げたり、第一章の最終ステージではバーチャロイドごと磔にされたまま大型レーザーで撃たれて(機体が)悶絶しまくる。当然だがハッター軍曹は単なるパイロットなので、実際に痛みを感じたかのような仕草をする必要はない。(*8)。最早擬人化の域。 因みにこのステージで敵を倒すと軍曹は自ら拘束を解く。自分で外せるのなら助けに行かなくても良かったのではないのだろうか これを「臭い」「滑ってる」と取るか、素直に「面白い」ととるかはプレイヤー次第。やや過剰気味なおかげで「面白いけど滑っている」状態となっている感がある。 ちなみにデザイン担当のカトキハジメ氏は「私は全然(違和感は)感じないですね。最初からキャラのつもりでいたので」と語っている。 殊に本作はキャラクター性を強く打ち出し、ムービーなどでスキップできない状態の「バーチャロンの人間らしい動作」を頻繁に見せられるため、否が応にも多くのプレイヤーの印象に残ることになってしまった事も要因の一つであろう。 黒幕に『囚われている』という設定で、いきなり始まるタングラムの独白には唖然としたプレイヤーも多い。見ての通り目玉である。これが喘ぎ声を上げたりする様はなんとも言い難い気持ちになる。しかもタングラムの声を担当したのはよりにもよって井上喜久子氏だったりする。 なお、DC版「オラタン」の時点で隠しムービーに同様の井上氏担当によるタングラムの意味不明な謎の独白があった事は付け加えておく。 評価点 ドラマチックモードのキャラが濃く、見ていて飽きない。 過度に熱血な先輩キャラクターに、ゆかな氏の声が可愛い謎の女性オペレーター、さらにベテランの若本御大が演じるラスボスと豪華すぎる。 豪華声優陣。 上述したオペレーターのゆかな氏やラスボスの若本規夫氏以外にも、ストーリーで登場するパイロットを演じる折笠愛氏や辻谷耕史氏、ナレーションの立木文彦氏等々有名声優の数々が名を連ねる。「日本一歌のうまいサラリーマン」こと、セガ社員・光吉猛修氏も上記のハッター軍曹として登場、彼のオーバーリアクションを熱演している。 バーチャロンの世界に浸る事ができる。 よく分からないシナリオも、設定集などである程度世界観を知っていればどうにかついていくことができる。またデータベースという用語集があり、独特の世界観や前作までのストーリーも知ることができる。今までの作品ではストーリーや背景はゲーム内で語られることがなかったため、予備知識がないプレイヤーにはほとんど意味不明であった。 PS2のアナログコントローラーによる擬似ツインスティック操作は良好。 PS2コントローラはスティックが左右対称についているため、操作の違和感はない。 結果的には不評の声が多数になってしまったが、単なる戦闘以外のミッションをバーチャロンでやろうとした事自体は評価されてもいいとの声も一部で存在している。 テムジン無双。 強力なテムジンで相手をバッタバッタとなぎ倒す「俺tueeeeeee」に楽しみが見出せるならば。 また、これらの超高性能機体群に関連して今までバーチャロンではありそうでなかった、いわゆる初代ストIIのベガのような「ボス性能の機体」と戦うことができる。 フォースの機体で例えるなら「テムジン747A」「テムジン747H」「ライデンE2」「ライデンE1」の4機種だけではあるが、条件を絞るとこれがまたとてつもなく強く、なかなかに攻略のしがいがある。 ちなみにフォースの時点で「テムジンだけ3世代全て登場し、しかも今までの曲も全てリメイクされて、とどめに新型の747系列の3機種全てにBGMが用意されている」と明らかにテムジンが優遇されていたことも忘れてはならない。 収録曲数の多さ 長らく日の目を見なかったが、家庭版フォースがゲーム中のBGMをOMG、OT、フォース、光吉の4タイプに切り替えられることを受け、「ひょっとしたらこれはなかなかにすごいのでは?」という意見が出てきた。 ACの移植なので当たり前といえば当たり前なのだが、それまでの家庭版バーチャロンは他のシリーズの曲を流すことは出来なかった。しかしMARZはフォースのアレンジ移植とも言える為か、フォースまたは本作でアレンジされていないオラタンのBGMがランダムで流れることがある。アレンジされているBGMについてはアレンジ版、つまりはフォース版が流れる。 しかしオラタンのBGMが流れるのはドラマチックモードだけで、しかも流れるBGMが決まっていないミッションのみ。その上ランダムで選ばれるBGMの中には当然フォースのBGMも含まれている為、特定のBGMを出すのはかなりめんどくさい。 止めとばかりにオラタン屈指の人気を誇るテムジンの宇宙BGMのフォース版「High On Hope 01」とライデンBGMのMARZ版「Into The Crimson 03」はランダムBGMの中には入っていない。後者は実質ボス性能のライデンを駆るS.H.B.V.D.戦のBGMなので通常ステージには出せないのはわかるが、前者ははっきりとした理由がわからない。ちなみにOMGプレイヤーなら確実に最初に聞くテムジンBGMのフォース版「In The Blue Sky 01」もなぜか入っていない。 もちろんというか景清のBGMである「Kiriste Go-men!」は入っていない。景清が何をした オリジナルとアレンジとボーカル版をひとまとめにしたとき、MARZに入っていないステージBGMは上記の「Kiriste Go-men!」とOMGのベルグドルBGM「Higher Ground」だけなので、限定的なBGMの種類数だけならMARZでの新規BGMの差で家庭版フォースよりも多いことになる。 カラーバリエーションも豊富 カラーエディットこそは無いが、色違いコンパチも含めてXbox360版フォースに無い個性的なカラーリングがあるのは一応評価点。 イキすぎな性能はさておき、MARZの紺カラーテムジンやホワイトナイト等は今作のみ。プラモ化もされている。 「金髪+ピンクカラー」のフェイVH等個性的なものもある。ちなみに該当カラーはおぱんつもおピンクになる。 総評 ゲームとして破綻している面は無くクソゲーと言うほどではないが、上述した問題点や賛否点により、当時「フォースの移植」を期待していたファンが落胆したことは言うまでもない。多く出回りすぎた事もあり、瞬く間にワゴンの主となった。 そして約9年の時を経て、フォースがXbox360に移植され家庭で限定戦争に参入できるようになった今、多くのチャロナーにとってのMARZの存在意義はほぼ完全に消滅している状況である。 今作に求める存在意義があるとすれば、やはり先にも示した「747Jや白騎士によるテムジン無双」「something wonderfulなMARZ節全快のストーリー」の2点に限られるであろう。(*9) ゲーム外の多媒体でしか触れることのできなかった世界観やストーリー性を具体的に取り込んだ最初で最後の作品であり、より深くバーチャロンの世界観に浸りながらプレイすることもできただろうだけに、非常に惜しいというほかない作品である。 余談 2009年に行われたバーチャロンの作品人気アンケートでは、ブッチ切りの最下位を記録した。 だが驚くべき事にバーチャロンの人気投票の際「MARZがいちばん面白かった」と投票したものが少数ながらいたという。彼らはファンからは劇中の台詞をもじり「MARZの犬」などと呼ばれ、賞賛や驚きの目で見られた。 かの北斗にも固定ファンが付き愛されたのと同じように、『MARZ節』に魅せられたファンも希少ながら存在したようだ。 バーチャロンでは唯一明確なキャラクターが存在することもあり『スーパーロボット大戦』シリーズにも参戦した。 『第3次α』ではほぼいるだけ参戦という形となったが、『K』では本格的にストーリーに絡むことになり、原作者監修によるシナリオの再現度の高さもあり、チャロナーとスパロボユーザーには好意的に迎えられた。 原作では「パイロット=プレイヤー」という位置づけのため、スパロボにおけるテムジン及びフェイ・イェンは独自のキャラクター設定を付加しつつパイロットの顔や素性を描写しないという形で半オリジナルキャラクターとして描かれている。(*10) 一方のハッターは今作で見せつけた濃いキャラクター性のままでの参戦となっており、光吉氏の熱演もあって印象深いキャラとなっている。 2011年のコミックマーケット81にて発行された設定資料本「ハッター軍曹のメモリアルアルバム」にて、「オラタン」以降グラフィック・スタッフとして関わった森康浩氏は賛否両論点にて記した「バーチャロイドの人間らしい仕草」についてこう記している。 + 抜粋。やや長いので格納 (前略)一人でイベントシーンの制作を担当していた私は、正直どのようなモーション(演技)を付けたものか途方に暮れていました。理屈で考えれば、喋っているのはパイロットなのですから、その間バーチャロイドは微動だにせず突っ立っていても理にはかなっています。しかし、いくらなんでもそれはエンターテイメントとして成立しません。シナリオのテキストを前に悩む日々が続きました。そんなある日、最初の台詞の録音データがやって来ました。エピソード冒頭、磔から脱出したハッター軍曹のあのセリフ 「サーンキューーー!ベリマッチ…!!」聞いた瞬間に衝撃が走りました。まさに後頭部にキック・ザ・ドラマチック(*11)を喰らったようです。あんなハイテンションのセリフに、普通に磔からモソモソから脱出する演技など付けられる訳がありません。…仮面劇でいいじゃないか!モーションでキャラクター性を表現すべきなんだ!(中略)変なテンションになりつつも、そこからは私の心のおもむくままに、三姉妹マイザーにモデル歩きをさせたり、白騎士を颯爽と登場させたり、とにかくイベントシーンのバーチャロイドのあんな動きやこんな動きは全部私の責任です。(後略) これを見るかぎり、彼が自認する通り劇中での登場人物のオーバーなアクションは彼の仕業のようだ。前述の通り、設定上違和感はないとはいえ、誰か意見しなかったのだろうか。 シリーズのプログラムを担当してきた石畑義文氏は同メモリアルアルバムにて「MARZに関しては、とにかく開発が大変だったので反省点が多い代わりに思い入れも大きいゲームです」と語っており、少なくともSEGA側にとって「MARZ」が黒歴史ではないことが窺える。 彼はその後「学ぶことが本当に数多くありました」とも語っている。 2013年3月21日、PS2アーカイブスとして配信開始。 ローディングに煩わされることがなくなった。PS3用ツインスティックも発売され(期間限定受注生産かつ¥30,000とハードルは高いが)、ゲーム外部分の不満はある程度解消されている。 ベタ移植なので、ゲームとして(あるいはバーチャロンシリーズとして)の不満点が改善されているわけではない。またPS3でPS2のエミュレートを行っている都合からか、オリジナルに比べ処理落ちの目立つ箇所が見受けられる。
https://w.atwiki.jp/box_circle/pages/81.html
NT養成ゲーム
https://w.atwiki.jp/vo_omg/pages/6.html
とりあえず月門の設置店情報をリンクしておきます 月門の間 M.S.B.S 3.3 設置店舗情報のページ 情報あればこちらから投稿してね クラブセガ名古屋伏見に期間限定でPS2版発売直後から設置されています。ほとんどやってる人がいないのでみなさん対戦しましょう -- UKI (2008-02-10 20 36 14) むむ、気づかなかった・・・ -- いずこ (2009-01-21 21 37 23) 08年7月ごろに隣のオラタンと共に撤去されてました。残念。 -- bravo (2009-01-25 13 32 21) 豊田市のUFOの隣のバッティングセンターのゲーセン内にあるぜ。何年も前から放置されてるけど。つーかまだここ見てる人いるのか?w -- 名無しさん (2009-04-07 21 34 05) 調布駅前モナコ2号店に1台のみ設置 -- 名無しさん (2010-09-28 01 49 56) 秋葉の新セガにありました。でも被弾時の無敵がしゃがみで残るバージョンでした。 -- A (2011-10-04 22 15 33) 初代バーチャロンOMG 専用ツイン筐体 稼働中です。 -- 日本ゲーム博物館 (2013-08-01 11 24 22) OMGが静岡の掛川のピアのゲームコーナーに2つあった1Pカラーと2Pカラーバージョンの二つ -- 名無し (2013-09-22 19 19 32) お宝あっとマーケット土浦北店にあるそうです。 https //twitter.com/ZC32S_GTX980/status/926744424314368000 -- 名無しさん (2017-11-06 16 14 49) 名前 コメント トップページ
https://w.atwiki.jp/ukwindom/pages/64.html
電脳戦記バーチャロンセット (OMG、オラタン、マーズ混合) DL http //loda.jp/ukwindom/?id=186
https://w.atwiki.jp/xbox360score/pages/1865.html
電脳戦機バーチャロン 項目数:12 総ポイント:400 難易度:★☆☆☆☆ 製品情報:マーケットプレース 配信日:2013年2月13日 DL費用:800MSP ジャンル:3Dロボットアクションシューティング ※日本限定配信(NAIJの逆) アーケードモードを1回クリアするだけ。難度変更やコンティニューも可。 バーチャロン経験者なら10分、未経験者でも30分もあればコンプには十分だろう。 M.S.B.SYSTEM ver.3.3 ARCADEでバーチャロイドを決定 20 IN THE BLUE SKY ARCADEでステージ1をクリア 20 SHE S LOST CONTROL(S.L.C.) ARCADEでステージ2をクリア 20 EVERYTHING MERGES WITH THE NIGHT ARCADEでステージ3をクリア 20 HIGHER GROUND ARCADEでステージ4をクリア 20 RUINS ARCADEでステージ5をクリア 20 EARTH LIGHT ARCADEでステージ6をクリア 40 THE WIND IS BLOWING ARCADEでステージ7をクリア 40 FADE TO BLACK ARCADEでステージ8をクリア 40 ALICE IN THE WONDERLAND ARCADEでヤガランデ出現 60 CRYSTAL DOOM ARCADEでジグラット撃破 60 OPERATION MOON GATE ARCADEでエンディングのスタッフロール中、左スティックを上下左右に合計100回以上入力 40 バーチャロン未経験者にはRAIDENが強くておすすめ。 後半が難しいと感じるなら、相手を少し削った後は距離を置いてひたすら逃げ回れば勝てる。 無理に攻めると反撃を食らって巻き返しができなくなるので、逃げ主体の戦法で攻めてみよう。 VERY EASYなら開幕レーザーがほぼヒットするうえ、ジグラットも黄色になった後にレーザー一撃で沈む。 ALICE IN THE WONDERLAND ヤガランデは、5面クリア時点での経過時間が2分55秒を越えていると出現する(一本勝負・制限時間設定90秒の場合)。 倒す必要はないので、無理そうだと感じたら仕切りなおしでよい。 倒す場合も公式ブログにある通り、コンティニューするごとに防御力が低くなる。 OPERATION MOON GATE 入力が成立すると、エンディングの最後にプレイヤー機が回収される描写が加わる。この時点で解除。 操作方法を「ツインスティックタイプAorB」にしている、またはツインスティックでプレイしている場合、 右スティックの入力も回数に含まれる。
https://w.atwiki.jp/vo4th/pages/152.html
秋葉原 セガ 秋葉原3号館 住所 東京都千代田区外神田1-11-11外神田1丁目ビルディング(バーチャロンは6階) アクセス JR秋葉原駅 営業時間 10 00~24 00 設置状況 1セット+1ターミナル 連勝制限 7 | 備考 | CPUはノーマル、 金曜・土曜・祝日は終日強制対戦 13/8/19の営業をもって撤去の後、クラブセガ秋葉原新館へ移動予定 → 移動確認済 18年5月某日 再びGIGOに戻った模様| 21年1月確認 20年8月末の2号館の閉店により5号館ダーツ&レトロフロアへ さらにその後 → 3号館6階のレトロフロアへ移動 新宿 【撤去】高田馬場ゲーセン・ミカド 町田 【撤去】タイトーステーション町田 八王子 【撤去】セガアリーナ八王子
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/40152.html
登録日:2018/08/13 Mon 20 23 59 更新日:2024/04/08 Mon 10 51 28NEW! 所要時間:約 24 分で読めます ▽タグ一覧 DN社 SEGA VR Vコンバータ エクストリームスポーツ エンターテイメント オーバーテクノロジー カトキハジメ バーチャロイド バーチャロン ロボット ロボットプロレス ロボット項目 兵器? 商品 商用ツール 巨大人型ロボット 瓦重郎 限定戦争 電脳戦機バーチャロン 「電脳戦機バーチャロン」シリーズに登場する巨大人型ロボットの総称。 ガンダムで言えば「モビルスーツ」、フルメタルパニックで言えば「アーム・スレイブ」、コードギアスで言えば「ナイトメアフレーム」なんかに相当するカテゴライズ。 基本的にゲームに登場するすべての機体はカトキハジメデザイン。 よって工業製品らしいソリッドなラインと、ロボット物らしい濃厚なキャラクター性を巧みに両立させたカトキチックなフォルムは全機に共通している。 長期にわたって展開されてきたシリーズの例にもれず設定はかなり変遷しているが、基本的に全てをプロデューサーの瓦重郎氏が考えているので、多くの人の手が入ってきたガンダムなどに比べると整合性は取れている方。 【特徴】 「なんで人型である必要なんかあるんですか(正論)」 というリアル系ロボットとは切っても切り離せない疑問に対し、 「カッコイイだろう!!(ギャキィッ)」 と直球で答えてしまった特異なロボット。 そう、バーチャロイド(以下VR)が人型という非効率な構造をとっているのは、単純に「カッコイイから」、より正しく言えば「客ウケがいいから」なのである。 もっともこの場合の客とはプレイヤーのことではなく、バーチャロンの作品世界である「電脳暦(VC)」において、VRの主戦場である「限定戦争」を楽しむ視聴者たちのこと。 ※ 限定戦争って何? 電脳暦において「戦争」の代わりに存在する、商業行為にして政治行為にして祭事行為。 電脳暦とは社会全体を物理・情報のネットワークが覆い尽くし、土地や民族、宗教や政治理念といった従来の主権国家の枠組みが失われた近未来である。 そして旧来の国家に替わり、ネットワーク上における人々の支持・参加を力とした各種企業が台頭し、かつての国家の役割を代替して「企業国家」と呼ばれるようになった。 企業論理が全てを支配する電脳暦では、必然的にあらゆることが商業ベースで判断されるようになり、莫大なコストを浪費しながら得る所の少ない物理的な「戦争」も、「コスパが悪い」として否定されることになった。 しかしだからと言って、普通の人々がいきなり聖人になれるわけもない。 行き場を失った人々の闘争本能、進歩した分閉塞した社会への逼塞感、利害調整ツールや消費市場を求める企業の思惑などは複雑に絡み合い、「じゃあコスパがいい戦争ならいいよね?」という斜め下の発想に到達した。 これが「限定戦争」と呼ばれるシステムで、 個人や集団の間で、交渉では解決できない対立を解消するために使われる 殺し合いである という点においては旧時代の戦争と変わりないが、 戦闘を視聴者へと公開(放映)することで各種利益を生む、エンターテイメントビジネスとしての性質を持っている 一般社会とは隔絶された専門のエリアで、戦闘を請け負う専門の代理人集団が、ルールやレギュレーションに従って行う という点において明確に異なる。 まあわかりやすく言えば、戦争とプロレスを合体させたようなものとでも言うべきか。 常に「視聴者」の存在を意識しなければならない限定戦争においては、単純に相手に勝てばそれでいいというものではない。 むしろプロレスがそうであるように、視覚的な興奮要素、ドラマ性、カタルシス、ゆで理論などといったエンターテイメント性こそが強く要求される。 対立企業との力関係を決着する実力行使と興行(ショー)としての儲けを天秤にかけ、収支決算でプラスを出す事が求められるようになったのだ(*1) こうした需要に答えて生まれたのが人型兵器VRであり、この「ショービジネスの商用ツールである」という点で他作品のロボットとは大きく異なる。 【構造】 モビルスーツの様なはっきりとした性能諸元は初代(OMG)を除き公開されていないが、おおむね10m~20mぐらいの大きさ。リアルロボットとしては標準サイズといったところだろうか。 遠隔操縦も可能だが、様々な理由から有人機として運用されることが多く、殆どは単座(1人乗り)。 機体の中枢となるのはコクピットブロック及びその背後に存在する「Vコンバータ」と呼ばれる箱型の装置。OMGでは灰サターン、オラタン5.2では白サターン。オラタン5.4-5.56ではドリキャス、フォース以降は謎の箱になっている四角いアレのことである。 このVコンバータは月面の先史文明遺跡「ムーン・ゲート」から発掘されたオーバーテクノロジーを転用したユニットで、 VRの機体そのものを構築する(後述) 中核であるVディスクを介してパイロットの精神とVRをリンクさせ、操縦を補助する ゲート・フィールドという不可視の異空間を形成し、その斥力で推進する ゲート・フィールドによってVRの動作に伴う機体・パイロットへの慣性を緩和したり、慣性を制御して普通の物体ではありえないような運動をさせる 慣性制御機構の援用で、外部からの攻撃をはじき返す「Vアーマー」を形成する(第二世代VRのみ) 「電脳虚数空間(CIS)」と呼ばれる異空間を使った長距離ワープ「定位リバース・コンバート」を制御する(第三世代VRのみ) などといった様々な機能を司る。 VRが人のようになめらかで自然な動きをしたり、かと思えば音速を超える速度で地上をジグザグに走り回ったりできるのは全てこのVコンバータのおかげであり、まさしくVRのコアと呼べるユニットである。 武装面ではビーム兵器やミサイル、マシンガンやレーザーにボムなど割と普通にロボット兵器しているが、キャラクター性強調の為に 魔法のステッキ 火炎放射器 ボム(爆弾) ナパーム(火柱を連鎖生成するボム) 浮遊機雷 ドリル などの珍兵器を持つ機体も多く、果ては 無線誘導式ハンマー 氷の竜 テンガロンハット などといった訳の分からないものを主武装とする機体まで存在する。 またVR戦において最も人気が高いのは、何といっても人型であることを活かした近距離白兵戦である為、殆どのVRは近距離戦用の武装を搭載している。 こちらも実体剣やビーム剣、トンファーに杖、槍に刀に大鎌にドリルと個性豊かなラインナップを誇る。 【製造方法】 VRのユニークな点は、その製造方法にもある。 戦車や航空機のような通常兵器と異なり、VRはVコンバータを介して電子データを物質化する、「リバース・コンバート(*2)」によって建造されている。 ※ Vコンバータの製造法 Vコンバータの基礎となるのは、「Vディスク」と呼ばれる一枚のデータディスク。 このディスクはDVDやブルーレイのようなディスクと基本構造は同じだが、表面に塗布されているのが磁性体ではなく「Vクリスタル質」と呼ばれる特殊素材となっている。 このVクリスタル質とは、月面で発見された非人類起原の遺跡「ムーン・ゲート」から採掘される未知の材質で、その名の通り遺跡の中核である巨大な結晶「Vクリスタル」と同様の組成を持つ。 VRのコアとなるこのVクリスタルは、先史文明由来のオーバーテクノロジーのまさしく結晶であり、VRという兵器の特性は全てこの物質に由来していると言っても過言ではない。 この流れを具体的に並べると、 1.まずはVコンバータ用のVディスクを、人間の精神を介してフォーマット(マインド・フォーマット)する 2.フォーマットされたVディスクに、製造する機体の構造情報をデータとして書き込む 3.そのVディスクを収めるVコンバータと、それに繋がったコクピットを普通に建造する 4.Vコンバータを作動状態に置き、高い負荷をかけることでディスク内のデータが物質化され、VRが出現する(リバース・コンバート) という感じになる。3Dプリンタみたい こう書くと「え?じゃあコクピットとVコンバータ以外は実質タダで作れるってこと?」と思われるかもしれないが、リバース・コンバート時にはVコンバータを高負荷状態に置くために相当なエネルギーコスト、平たく言えば莫大な電気代が必要になる。 加えてマインド・フォーマットとリバース・コンバートに関しては、一定確率で「失敗」してしまうことがあり、これが製品としての歩留まりを下げてお値段をさらに上げている。 さらにリバースコンバート時においては、書き込まれたデータの質と量が上がるほどに「失敗」の可能性が上がる。 この為技術が未熟だった第一世代機(OMGの時代のVR)では、武装を含めた機体全てをコンバートさせるのは難しく、機体の基礎構造のみをコンバートして、武装などの外装パーツは普通に製造したものをあとから取り付けていたらしい。 そしてこれらの理由から、「VRをディスクに戻して再コンバートすることで修理費ゼロ!」とか「再コンバートすることで弾薬を補充!」等と言ったセコイことは難しい(不可能ではないが、リスク・コスト的に見合わない)。 ちなみにドリームキャスト版オラトリオ・タングラムのOPがこのリバース・コンバートによる機体を製造しているシーンとなっている。どういう物か一目でわかるだろう。 【強さ】 前述したとおりVRは本来客ウケを狙って作られた兵器ではあるが、しかしだからといって実戦兵器として弱いということはない。 というか マッハを超える速度で地上を走り回る 同サイズの生物を圧倒的に上回る俊敏さを持つ 数十メートルの跳躍を行い、短時間の飛翔も行う 戦車砲サイズの砲や艦対艦級ミサイルのランチャーを自在に振り回す それらの攻撃にある程度に耐える防御力を持っている という殆ど反則的な兵器であり、歩兵や戦車といった従来戦力を圧倒的に上回る強さを持っている。 ただこうしたVRの飛びぬけた性能は前述の通り月由来のオーバーテクノロジーによるものであり、原理的にはその技術を転用してVRを上回る通常兵器を作るのは不可能ではない。 とはいえVクリスタルから始まるオーバーテクノロジーの研究は、本来人型兵器の制御ソフトとして作られたM.S.B.Sを用いて進められてきたものであり、他の分野へ応用することが難しい。 膨大な研究費をつぎ込めば可能かもしれないが、しかしそこまでして開発にこぎつけたところで視聴者からの人気がVRを越えることはまず考えられない。 コスパがすべてに優先される電脳暦において、それが実現する可能性は低いと言わざるを得ない。 またコスパ最優先と言う電脳暦の原則は、VR自身の性能にも反映されている。 旧来の戦争では、「同じ重さの金塊より高い」B-2などにみられるように、「性能>コスパ」とされることも珍しくないのだが、VRにおいては常に「性能<コスパ」が徹底されている。 よって一般に流通している商用VRの性能は、実は技術的な限界よりかなり下の方に位置している。 例えていうなら「V2アサルトバスターを作る技術がありながら、コスパがいいという理由でジェガンを作り続けている」ような状態なのである。 なので「商用」という枠を外れてコスパという制限から解き放たれた時、その性能は凄まじい上がりっぷりを見せる。 特にVRのコアであるVコンバータ、及びVクリスタル質はコスト増大に伴う性能向上がダイレクトに反映される部位であり、ここに金をかける(=高品質のVクリスタル質を使う)ことで性能は爆発的に向上する。 これは高品質なVクリスタル質を使うことで、VRの「実存強度(*3)」が大きく上昇するため。 実存強度とは、物質化されたデータであるVRの「物質としての存在精度」を表すパラメータで、これが高いVRほどスペックをフルに発揮することができ、それが低いVRに比べて全ての面で優位に立てる。 商用ではないVR、例えば「白虹騎士団」の対シャドウVRや「特捜機動部隊MARZ」の捜査官用VRなどに使われているVコンバータなどは商用機に比べ数十倍~数百倍のコストがかけられており、その分性能も桁違いになっている。 【パイロット】 殆どのVRは、Mind Sift Battle System、略して「M.S.B.S」と称されるOSによって制御される。 これは人間の精神によって機械をコントロールするためのデバイスで、パイロットはM.S.B.Sを介してVコンバータとリンクすることでVRを動かす。 ヒトには全身に200を超える数の関節があり、複数の関節が無意識で連動することで複雑な動きを成し遂げているが、これと同じ巨大ロボットの制御を手動でやろうというのはあまりに無謀。 しかしVRはパイロットがM.S.B.Sによって機体の基礎動作を感覚的に制御することが可能となっているため、意識的に行わねばならない操縦動作は最小限に抑えられている。 具体的にいうとアーケードのバーチャロン同様、2本のスティックと複数のトリガー、補助的なスイッチをいくつか程度で戦闘動作の殆どをこなせるようになっているらしい。M.S.B.Sパねぇ。 ただし非人類起原のオーバーテクノロジーを流用しているVRにはブラックボックス的な欠陥がいくつかあり、その内の一つである「バーチャロン現象」はパイロットにとって非常に危険なものとなっている。 前述の通りVRの機能の源はコンバータ内のVクリスタル質であり、パイロットはM.S.B.Sを介してこれとリンクすることでVRを動かしている。 これは「周囲の人間の精神と交感し、結晶内でこれをエミュレート(模倣)する」というVクリスタルの性質を利用したものだが、これが行き過ぎると、その人間の精神がクリスタルへ「持っていかれて」しまうのである。 これは軽度なら数分の間(持っていかれている間)の記憶喪失程度で済むが、重度の場合は精神がクリスタルに閉じ込められたまま二度と戻ってこれなくなり、精神を失った肉体が廃人と化してしまう。 これはVRパイロットにとって極めて物騒な職業病で、M.S.B.Sには一応この現象へのセーフティ機構があるが、完全に防止できるようなものではない。 この現象に対する耐性は個人差が非常に大きく、「バーチャロン・ポジティブ値」として数値化されており、基本的にVRパイロットはこの数値が高い人間でなければなることができない。 またバーチャロン・ポジティブ値が高いパイロットは、単にバーチャロン現象に強いだけではなく、Vコンバータと深くリンクすることでVRの実存強度をより高め、VR自体の性能を引き上げることもできる。 ただし深くリンクするとその分バーチャロン現象に囚われるリスクも高まるため、その高さは必ずしも利点ばかりではない。 またポジティブ値が高い人間がバーチャロン現象を起こしてしまった場合、VRに危険な変異をもたらし、周辺に被害を及ぼすこともある(「シャドウ現象」)。 【歴史】 実用化以前(OMGより前) クリックで展開/格納 VRの原型となったのは、地球圏最大手の企業国家の「ダイナテック&ノヴァ社(DN社)」がVC70年代に「eXperimental Master Unit(XMU)プロジェクト」で開発していた「マスターユニット」と呼ばれる大型の人型ロボットである。 これは「本物の人間の様な動きができて、かつ巨大で迫力のある人型ロボット兵器を作ろう!」という趣旨の計画で、 限定戦争における「やはり人間同士の殺し合いこそ至高!」という需要と「あ、でもグロいのはNG」という忌避感の双方を満たせるプロジェクトとして大いに期待されていた。 同プロジェクトは多大なコストを投じて進められ、人間の精神によってダイレクトに機体を操作するソフトウェア「M.S.B.S」、個性豊かたな10種類の試作マスターユニット、それにふさわしい各種武装など、少なくない成果を生み出した。 しかし数年後、最終的に「残念ながら現在の技術水準では、商品コンセプトを満たすレベルの大型ロボットを作るのは不可能である」という結論に達し、そのまま凍結されてしまっていた。 このマスターユニットが再び日の目を見たのはそれから数年後のVC84年、月面で非人類起原の遺跡「ムーン・ゲート」が発見されてからのこと。 このあたりの経緯はこの辺に詳しいが、DN社はムーン・ゲートに眠る先史文明のオーバーテクノロジーを利用するため、遺跡の中核である「Vクリスタル」の研究プラント「0プラント」を設立。 Vクリスタルとそこから繋がる異空間「CIS」の利用を実用化するべく「(第一次)Vプロジェクト」の名称で大規模な研究開発をスタートさせた。 0プラントではVクリスタルの特性である生物(人間)との精神交換作用に着目し、機械と人間の精神をつなげるデバイスである「M.S.B.S」を使ってその研究を進めていった。 XMUプロジェクトの遺産であるM.S.B.Sは基本的にマスターユニットの操作に特化したものであったため、その実験には死蔵されていた試作マスターユニット群もまた頻繁に流用されることになった。 この為オーバーテクノロジー利用とM.S.B.S、ついでにマスターユニットは相互に関連する形で完成度を高めていくことになり、最終的にこの3者は容易に分かちがたいものとなってしまったのである。 膨大な予算と人員を投じて進められたVプロジェクトだが、しかし約20年もの時間をかけても決定的な成果をあげれずにいた為、失望した上層部によってその規模は縮小されていった。 その為VC92年に0プラントが「リバース・コンバート」現象を発見した際にも、これを実用化しようにも予算が下りないという状況になっており、0プラントとしてはどうしても利益へと直結する「商品」を開発せざるを得なくなった。 そこで研究の副産物としてマスターユニットの性能向上につながる様々な技術が実用化されていたため、0プラントではこの技術をフィードバックしてマスターユニットを強化、「戦闘バーチャロイド」として限定戦争市場への投入を訴えたのである。 ちなみに「バーチャロイド」というのは本来Vプロジェクトの中心となった先史文明の巨大人型ロボット(*4)を指す名称で、初期のVプロジェクトはこのバーチャロイドを再生、ないし復元することを主眼としていた。 そして0プラントはリバースコンバート現象が発見された時点で「我々の技術はようやくバーチャロイドの水準に並んだ」という自負を込め、実験用に使われていたマスターユニットに「バーチャロイド」の名を継承させたのである。 なんとか上層部の許可を取り付けた0プラントは、底をつきかけた予算の中から開発費を絞り出して「XMU-04-C(後のテムジン)」「XMU-05-B(後のライデン)」の二機種を実用化、極秘裏に限定戦争へ投入した。 不十分な予算と希薄なバックアップ下で投入された二機種の稼働率は酷いものだったが、しかしそのわずかな稼働機が示した戦果は上層部の予想をはるかに上回っていた。 その性能はかつてXMUプロジェクトが目指した「人間の様に動き、視聴者を魅了するダイナミズムに溢れた巨大人型ロボット」の条件を完璧に満たしていたのである。 この成果に驚いたDN社は再び方針を変更し、0プラントへの追加予算を承認、「第二次Vプロジェクト」として戦闘VRの大規模実用化へと歩み出すことになった。 地球圏の各地にはVRの製造・開発を行うための9つの巨大なプラントが建造され、そこで開発・建造されたVRが、DN社直下の限定戦争部隊「DNA」によって極秘運用テストを重ねられていった。 第一世代VR(OMG時代) クリックで展開/格納 第二次Vプロジェクトにおいて、VRの一般公開、並びに限定戦争への一斉デビューはVCa0年と定められた。 (電脳暦は16進数でカウントされる。つまり99年の後は9a年、9b年、9c年と続き、9f年の次がa0年となる) だが公開を間近に控えたVC9f年12月31日、DN社の大株主にしてプロジェクトの統括責任者であった「アンベルIV」の不可解な裏切りによって全てが崩れ去る。 彼はVプロジェクトを支える9つのプラントを外部に一斉売却し、辞表(と言う名のポエム)を提出してDN社を去ってしまったのだ。 これによって、DN社は秘匿していたVRの情報を盛大にフラゲされてしまい、またVRを管理していた全プラントを喪失したことで、契約済みだった多数の限定戦争契約が全て履行不能になってしまった。 これらの契約違反によってDN社は天文学的な負債を抱え込み、「オペレーション・ムーンゲート」(初代バーチャロンに描かれた一連の戦闘)によって即日倒産の危機こそ回避したものの、最終的にはa0年内に倒産してしまった。 この時期、つまり第二次Vプロジェクト開始からDN社の倒産までの約9年間に作られた最初期の戦闘VRを「第一世代VR」と総称する。 9年間もの時間と膨大なコストをかけた割にその進歩は緩やかで、最初期の機体にあたる「MBV-04-Gテムジン」と、最後期の「SRV-14-Aフェイ・イェン」を比較しても、両者にそれほどの性能差・機能差は見られない。 これは一つにはDN社の大企業病極まった非効率的運営体制のせいだが、それよりもVR開発の本家である0プラントがプロジェクト途中で解散させられてしまったことが大きいだろう。 しかしそれでも 主力機であるMBV(Main Battle Virtuaroid)、火力支援を担うSAV(Support Attack Virtuaroid)の2機種構成を基本とする運用 MBVとSAVの機能を併せ持った重戦闘型のHBV(Heavy Battle Virtuaroid)、偵察・管制を担うTRV(Tactical Reconnaissance Virtuaroid)などの実用化 視聴者ウケを意識した格闘戦の重視と、そのための格闘戦装備の標準搭載 など、後の時代にスタンダードとして残った要素もないわけではない。 第二世代VR(オラタン時代) クリックで展開/格納 DN社の倒産後、旧第8プラントにあたる「FR-08 フレッシュ・リフォー」は、旧DN社系列の企業を次々と傘下に置き、かつてのDN社を思わせる大企業国家を再生した。 しかしFR-08の総帥であるトリストラム・リフォーは、 巨大人型ロボットという形態自体が不合理であり、いわばキワモノに過ぎない VRが投入されるべき限定戦争という市場そのものの将来性が微妙 バーチャロン現象やVRのシャドウ化など、危険すぎる欠陥が未解決のままである などといった理由からVR事業に否定的で、地球圏唯一のVR保有軍事組織であったDNAに大規模なリストラを行い、傘下の各プラントにもVRの開発・生産に対して厳しい制限を課した。 この制限はVR事業を一時的に衰退させることになったが、最終的にはむしろその進化を促進させることになる。 かねてよりFR-08の強引な手法は各方面から反感を買っていたが、一部の企業ではVR事業にNGが出されたことでそれが加速し、明確な叛意を持ってこれに背こうとする動きが現れたのである。 特に「TV-02 トランスヴァール」、「TSCドランメン」、「SM-06 サッチェル・マウス」などの大プラントではこれが顕著で、彼らはFR-08の禁令を極秘裏に、しかしはっきりと無視してVRの研究開発を継続する。 そしてVCa2年初頭、完成した「RVR-30 アファームド・ジ・アタッカー」などの新型VRは、彼らが共同設立した実働部隊「RNA」に用いられ、DNAのVR部隊に襲撃をかけた。 圧倒的な性能差でDNAのVR部隊を粉砕したこれらの新型VRを、FR-08は「第二世代VR」と名付ける。 第二世代VRは第一世代に比べて全ての性能が飛躍的に向上しているが、そのカギはVRの中核たるVコンバータの出力上昇にある。 前述の通りVコンバータの出力向上はイコールVRの実存強度の向上であり、火力・防御力・機動性とあらゆる性能の強化に直結するのだ。 そしてVコンバータの有り余る出力を活かし、高出力化したゲート・フィールドの斥力によって敵弾を無効化、あるいは減衰させる新防御機構「Vアーマー」が標準搭載され、防御力はさらに向上した。 また運動制御プログラムの発展も顕著で、機体自体の運動性が上がったことと相まって、以前には不可能だった高速走行中の方向転換(バーティカルターン)、空中での水平移動(空中ダッシュ)などの運動が可能になっている。 しかしある意味で最も重要なのは、RNAによって戦闘VRの効果的な運用法が編み出されたことだった。 それまでVR運用を独占的に行ってきたDNAだったが、その教義はまったくの未成熟であり、「つまりMBVが戦車でSAVが自走砲ってことだろ?」という単純な差し替え用法に固執していた。 だがこの戦術はVRという兵器の特性を全く活かしきれておらず、戦術面で非効率なだけではなく、視聴者へのアピール度という点でも散々だった。 これに対してRNAは最初からVRを主力とした軍事組織であり、その圧倒的な機動性と打撃力を活かした運用教義を既に構築していた。 5機1組の高速戦闘フォーメーション「フレックス5」を基本としつつ、MBVやSAVといった枠にとらわれず個々のVRの特性を十分に生かした戦術は非常に強力で、同程度の戦力で構成されたDNAのVR部隊に対して圧倒的な優勢を誇った。 そしてRNAの洗練されたVR戦術は、単純な戦術的優位だけではなく、DNAのチグハグなVR戦で「VRってなんか思ってたほどおもしろくないね」と思っていた視聴者に強烈なインパクトを与え、戦闘VRの価値を決定的に確立したのである。 この結果はVRに投資価値を見出していなかったトリストラム・リフォーをも動かし、FR-08は傘下の各プラントにVR開発を解禁、DNAに新開発した第二世代VRを次々と配備し始めた。 数年後に開催された大戦役キャンペーン「オラトリオ・タングラム」時には既にDNAとRNAの両サイドで第二世代VRが主力となっており、地球圏の各地で熾烈な戦いを繰り広げることになる。 第三世代VR(フォース/マーズ) クリックで展開/格納 地球圏でオラトリオ・タングラムが盛況を呈する中、限定戦争関連の一部企業や集団は地球圏の外、火星へと向かう動きを見せていた。 その出自や理由は様々だったが、彼らは共通して「VR事業の関連者」であり、火星圏でもVRによる限定戦争市場を作ろうとしていた。 しかし火星には月のムーンゲートや地球の南米遺跡と同様、巨大なVクリスタル「マーズ・クリスタル」が存在しており、しかもこれは月や地球のクリスタルに比べて遥かに活性度が高かった。 このため火星圏ではマーズ・クリスタルから発生する攻性侵食波が充満しており、これが既存のVRのVコンバータに干渉してその機能を阻害、活動不能に追い込んだのである。 一応テムジン707をはじめとした、Vコンバータの強化機構(707の場合は背部のマインド・ブースター)を持つ一部のVRだけは活動不能となることだけはなんとか避けられたが、大幅な機能低下は免れなかった。 またなんとか前線にとどまれたとはいえ、火星に派遣された際は結局現地生まれのネイティブ第3世代VRに完敗したため、最終的には第3世代対応のテムジン747に置き換えられている。 とまあそんなわけで、火星圏では従来の第二世代型VRに代わり、この環境に耐えて活動できる「火星圏対応型」のVRが配備されることになった。これが「第三世代型VR」である。 第三世代型VRの最大の特徴は、当然ながらマーズ・クリスタルの攻性侵食波をはねのける火星圏対応機構である。 この機構のカギとなるのは3種のクリスタル(ムーン・クリスタルとアース・クリスタルとマーズ・クリスタル)質を多層化してVディスクに用いたハイブリッドVコンバータで、動作の安定性において従来型のコンバータを大きく上回っていた。 第三世代型VRはこれに加えて機体各所に攻勢侵食波に対するフィルタリング機構を持ち、これによって火星圏においても安定した活動を可能としている。 またこのハイブリッドVコンバータには、もう一つ重要な機能がある。 それは「定位リバース・コンバート」と呼ばれる機構で、物質化したVRを異空間、つまりCISを介することで任意の地点に瞬間的に移動させるという、まあぶっちゃけワープのこと。 VR単体のエネルギーでは準備時間、移動距離などにかなりの制限があるが、専用の補助機構を持つ母艦などの支援を受ければ、火星-地球間ぐらいの距離を一瞬でワープすることも可能となっている。 これら第三世代型VRの技術を確立したのはSM-06のアイザーマン博士で、そのハイブリッドVコンバータをMV-03、TV-02などが相次いで採用したことで標準規格となった。 さらに当初は火星圏のみで運用されていた第三世代VRだが、VCa6年にアイザーマン博士が行ったある実験のせいで、地球圏でも第二世代型VRからの移行を余儀なくされた。 アイザーマン博士は当時木星圏~地球圏をつなぐ超長距離定位リバース・コンバート輸送システム「ペネトレーター」の実用化を行っており、その動作を安定させるため、ターミナルとなった地球圏にマーズ・クリスタルの攻性侵食波エミュレータを持ち込んだのである。 これによって地球圏にまで火星由来の攻性侵食波が充満することになり、従来型の第二世代型VRが使用不可能となってしまったのだった。 また同じころ、木星圏では「戦闘結晶構造体」と呼ばれる謎の敵対存在と、それに対抗すべく結成された打撃艦隊「フォース」の苛烈な戦闘が繰り広げられていた。 そして木星圏でもやはり火星圏同様に活性度の高い「ジュピター・クリスタル」が存在したため、この影響下でも活動できる第三世代型VRが主力として配備されることになる。 そして火星や木星といった過酷な地での戦闘に耐える第三世代型VRのために、「TLCS(Twin Link converter System)」という新たなシステムが実用化された。 これはオリジナルVRの一体「エンジェラン/アイス・ドール」の協力によって実用化されたもので、VR2機のVコンバータを同調動作させて実存力を共有させ、二機が同時に倒れない限り戦い続けられるという生存性向上システムである。 とまあ地球圏だけにとどまらず火星や木星のような辺境にまで普及した第三世代VRだが、実は単純スペックでいうなら第二世代VRに劣っていたりする。 フィルタリングを施したコンバータは攻性侵食波への耐性と引き換えに出力が低下しており、その分実存力がさがって走・攻・守全ての性能で負けているのだ。 またコンバータの出力低下のため、Vアーマーを展開する余力もなくなっている。 ただし第二世代VRが優位に立てるというのは「その性能をフルに発揮できる状態なら」という前提つきの話で、地球圏にまでマーズ・クリスタルの攻性侵食波が満ちている現状では机上の空論ではある。 オリジナルバーチャロイド(???) クリックで展開/格納 これは通常の意味でのバーチャロイドではなく、「本来の」バーチャロイドを指すカテゴリ。 つまり限定戦争用の戦闘ロボットではなく、0プラントが当初目指していた「Vクリスタルを利用して、CIS空間を自在に往還するロボット」のことである。 0プラントが解散される以前、その研究の中心人物であったプラジナー博士によって創出されたが、その技術はいまだ誰も再現することに成功していない。 「アイス・ドール/エンジェラン」 「ファイユーヴ/フェイ・イェン」 「アプリコット・ジャム/ガラヤカ」 の3柱が存在し、それぞれが17歳・14歳・11歳の少女の人格を持っており、自律意思で行動する。 基本構造としては一般的なVRのそれと大差ないが、Vコンバータの性能があらゆる面で桁違いで、自分のデータを書き換えてリバースコンバートを行い、人間の少女と全く同じ姿を取ることもできる。 ※ バーチャロン・ポジティブ値が高い方以外の追記:修正はバーチャロン現象に取り込まれる可能性があるので注意しましょう △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] とあるコラボ系VRの方は、コラボ先をよく知ってる人に追記してもらいたいんやな -- 名無しさん (2018-08-13 20 25 24) バーチャロンというゲームの性質上、プレイ時間の大半は自機の背中を見ることになるので、そちらにも力を入れてデザインしたとどこかのインタビューで読んだことがある。 -- 名無しさん (2018-08-15 19 49 41) こんなに世知辛いロボットの存在意義づけも中々ないのではなかろうかw -- 名無しさん (2022-05-30 22 08 56) ↑でも人型の必要がある理由をこの上なくキッパリと説明できる稀有な存在でもある。 -- 名無しさん (2022-06-16 19 13 29) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3254.html
電脳戦機バーチャロン 【でんのうせんきばーちゃろん】 ジャンル アクション 高解像度で見る 裏を見る 対応機種 アーケード(MODEL2B) 販売・開発元 セガ・エンタープライゼス 稼働開始日 1996年1月 判定 良作 電脳戦機バーチャロンシリーズ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 移植 続編 余談 概要 『スペースハリアー』や『アフターバーナー』で培った大型筐体のノウハウを活かして製作された3D対戦アクションゲーム。 「バーチャロイド(以下VR)」と呼ばれる巨大人型機動兵器を後方視点で操作し、敵が操るVRとフィールド上にて1対1で戦う。 制限時間内に相手のVRの耐久力を0にすれば勝利、逆に0にされると敗北となる。タイムオーバー時は判定に持ち込まれ残存耐久力が高い方が勝ちになるというシンプルなルールながら、独自デバイス「ツインスティック」による臨場感あふれるプレイ感覚と白熱したバトル展開で人気を博した。 特徴 ツインスティックによる独特の操作方法 コンパネ部分には「攻撃」用トリガーと「ダッシュ」のボタンが付いたフライトスティック或いはガングリップ状のスティック(*1)が2本あり、これを左右それぞれの手で持ってVRを操作する。 ツインスティックの操作はナムコの『サイバースレッド』『サイバーコマンド』(*2)をより洗練させたものとなっている。そして後々の「機動戦士ガンダム 戦場の絆」等にも繋がる操作方法の基礎となっていく(『ゾイドインフィニティ』はツインスティックではあるが特殊な操作系。詳しくは該当項目で)。 移動・索敵方法 移動したい方向へスティックを倒すことでVRは8方向に移動する。スティックを片側だけ倒した時と両方倒した時とで移動速度が変わる(両方倒した方が早い)。 さらに、移動したい方向にスティックを倒しつつダッシュボタンを押すとダッシュによる高速移動が可能。ダッシュ中に逆の操作(移動方向と逆にスティックを倒しつつダッシュボタンを押す)ことで急停止できる。 両スティックを前後に互い違いに入れるとその場で旋回する。この時ターボボタンを押すと旋回速度が速くなる。敵を見失いやすい本作において貴重な索敵手段となる。 両スティックを外側に開くように入力するとVRはジャンプする。ジャンプ後はスティック入力による8方向移動と及びジャンプ頂点付近での射撃攻撃が可能。 下降中に左右のスティックを内側に倒すと下降速度が速くなる。これにより着地のタイミングをずらし、隙を狙われにくくすることができる。 また、ジャンプ直後に左右のスティックを内側に倒すことで「ジャンプキャンセル」となり、素早く着地することができる。 なお、ジャンプ直後は瞬間的に相手がいる方向へ振り向くので、ジャンプキャンセルは索敵手段としても使える。ただし着地に若干の硬直があるので、旋回との使い分けが重要となる。 攻撃方法 攻撃は「右トリガーによる『ライトウェポン(RW』)」「左トリガーによる『レフトウェポン(LW)』」「左右両方のトリガーを同時押しする『センターウェポン(CW』)」の3種類の操作によりそれぞれ別の武器を使う。さらに、敵機が遠距離に居る場合は射撃による攻撃を、敵機をダブルロックオンした状態では殴りつけたりビームソードで斬りつけたりする「近接攻撃」を行うようになっている。 射撃攻撃編 敵機を画面中央のサイトに捉えると「ロックオン」状態となり、射撃攻撃が相手に対しホーミングするようになる。ただし、敵機を画面街に逃してしまうとロックオン状態は解除される。そこで、射撃戦では「いかに素早く敵機を捉え、また敵機のロックオンを外すか」が重要となる。 さらに同じ武器でもVRの状態(立ち、しゃがみ、ダッシュ中、ジャンプ中など)によって攻撃が変化する。例えばテムジンのビームライフルは前ダッシュ中に使うことで強力な「スパイラルショット」に変化する。 射撃攻撃は使用するとウェポンゲージを消費する。ウェポンゲージは一定時間経過で回復するが、各武器・攻撃にゲージ消費量と回復量が細かく設定されているので、使い処をきっちり理解する必要がある。 近接攻撃編 ロックオン状態で敵機に近づくと「ダブルロックオン」状態となる。この状態では距離に応じて各武器種のウェポンゲージが黄色く変化。 色が変わった武器のトリガーを押すことで射撃攻撃ではなく近接攻撃を繰り出す。 近接攻撃は高威力かつウェポンゲージを消費せず出し放題なのでぜひ狙いたいが、逆に相手のそれを食らう恐れもあるため近接戦闘はハイリスク・ハイリターン。 なお、近接戦闘はダブルロックオン時にレバーを内側に入れることでガードが可能、被ダメージをほぼ無くすことができる。 個性豊かなバーチャロイド群 VRのデザインはガンダムなどのメカデザインにも関わった有名デザイナー、カトキハジメを採用。ロボットアニメのお約束をちりばめつつも独自性を持たせたデザインにより、多くのロボットアニメファンを呼び込むことに成功。プラモデル化されるなど人気を博し、ホビージャパンなどの模型誌でも度々特集が組まれたほどであった。 操作できる機体は8機。一つ一つの長短がはっきりしている。 + Select your machine. MBV-04-G テムジン パッケージアートでもセンターに描かれた、バーチャロンの看板機体。全てにおいて標準~水準以上の性能を有しており、非常に扱いやすい為初心者はこの機体から入るとよい。機体選択の初期カーソルがテムジンであるのもそのためであると思われる。 ライトウェポン(右武器、以降RW):「ビームライフル」…威力、誘導性、リロードとも優れたバランスを誇る主力装備。前ダッシュ中のビームライフルは強力になり、これをいかに相手に叩き込むかが勝負となるほか、屈み射撃は高弾速と高誘導を誇る。 センターウェポン(同時押し武器、以降CW):「ソードウェーブ」…威力は雀の涙だが、相殺性能に優れたビームカッターを射出。近接戦闘時にはビームライフルの銃身に長大なビームサーベルを形成して相手を切りつける攻撃になる。 レフトウェポン(左武器、以降LW):「ボム」…ドーム状の爆風を形成する擲弾。威力は低めだが、相手の射撃を一方的に掻き消す事が多く持続時間も長い攻防一体の武装。低いと言ってもシリーズの中ではダメージソースとして重要で、対戦のレベルが上がってくるといかにしてこの攻撃を生かすかが重要になってくる。屈み投擲では近接信管の様な起爆形態となり、近接戦闘で攻防一体の活躍をする。 HBV-10-B ドルカス 左手に鉄球ハンマー、右手に万力(*3)を備えた重量機体。その両腕から格闘機っぽく見えるが、格闘の出が凄まじく遅いため実際は苦手(*4)。移動性能は低めだが、装甲は厚めで安定性も高いためダウンしにくい(ただしダウンしないせいで攻撃をフルヒット喰らう事も多く、一長一短である)。空を飛ぶ相手には滅法強い。 RW:「ファイアーボール」…万力の中央にある銃口から火球を射出して攻撃。見た目に反してオーソドックスな性能。高めのゲージ回復力に比して連射が遅めで弾切れを起こしにくい。火球自体がそれなりに大きいため意外に当たる。 CW:「ファランクス」…ナパームを散布し多数の火柱を上げる。フォーメーションは射撃体勢により多彩。敵弾を掻き消す性能が高い上に障害物の影響を受けず威力も大きいが、直撃を狙うよりも相手を火柱で包囲し、他の武装を当てるように狙うのが基本戦術。屈み射撃では上空に向かってばら撒き、空中で小型の爆発を複数起こす(射程は短い)。 LW:「ハンマー」…多面体からビーム棘を形成する打撃武装。弾速は遅めだが誘導性に優れ、戻ってくる時にも攻撃判定はあるので避けたと油断すると背中から殴られる事も。ファランクスで追い込みこれで爆炎越しに仕留めるのが黄金パターンである。代償としてハンマーが切り離されている間はLW格闘を行えないし、当然単発攻撃。テムジンのボムに跳ね返される様(後述)はなんとも間抜け。また山なりに射出するため障害物の裏に隠れた敵も攻撃できるが、敵が半端に近いと頭上を跳び越えてしまう。 SRV-14-A フェイ-イェン ミニスカを着用したツインテールの少女を模した女性型の軽量級VR。火力は低いが地上での機動性に優れている。また、耐久力が半分を切ると「ハイパー化」してカラーリングが一部金色に変化し、攻撃力と機動性が向上する。 兵器らしからぬデザインだが、「自我と人格を持つオリジナルバーチャロイド・ファイユーブの不完全なレプリカ」という設定になっている。 女性型のイメージに反してVRの中では高身長だが、そのせいで一部の相手のしゃがみ射撃を喰らいやすく(具体的にはテムジン、ライデン、アファームドのRT)、ノックバックし易い軽量機ということもあり対策テクニックを身につけないと分が悪い。しゃがみ射撃やダッシュ中は当たり判定が低くなるので、地上ではなるべくダッシュ状態を維持したい。 RW:「ハンドビーム」…低威力だが多くの弾を連射できる小型ビーム。ダウンは取りにくい。屈みで山なりに撃つこともできるが、ダメージソースというよりは牽制用。 CW:「ハートビーム」…胸から誘導性に優れるハート型ビームを発射する。射出時に大きなモーションを取るため隙が大きいものの、ハイパー化すると射出前(一回転する間)にバリアが形成され、一部の攻撃を無効化しつつ攻撃に移れる。 LW:「ビームボウガン」…左手に持ったビームボウガンを展開し、相殺性能が高めで、威力、弾速とも高バランスなワイドビームを発射する。細かい隙に刺すなどの即応性に優れた武装に乏しいため戦術的な依存度が高い。ハイパー化すると弾速がかなり速くなる。 ちなみにこの機体はカトキ氏側がスタッフに提案したもの。 氏は『機動武闘伝Gガンダム』に登場した女性型機体であるセーラーガンダム(もしくはセーラーガンダムーン)ことノーベルガンダムのデザイナーである。本機も明確にセーラームーンのパロディとなっており、セーラーヴィーナスに近いデザインだったノーベルと違いより元ネタに近くなっている(*5)。 SAV-07-D ベルグドル ナパーム弾やグレネードを実装する火力支援型VR。後述のライデンの反省から、とにかく安価で量産できることをコンセプトに開発された。火力の高さの割に移動速度は速めだが(特に左右移動)、機動特性が少々歪で前進後退は遅い。「肩のミサイルポッドと頭に埋め込んだミサイル誘導装置が重く極めてトップヘビー」と言う設定上、非常に転倒しやすいという欠点も(もっとも転倒しやすい事が利点な場合もあるが(ドルカス参照))。装甲も下から数えた方が早い。 近接攻撃がライデンと全く同じモーションなのは、ライデンの低コスト版として開発されたと設定されているため。 RW:「グレネード」…速射性はとても高いが威力はどちらかと言えば低く、なにより誘導性能が全くないため銃口補正のみで当てなくてはならない。これは安価で作動信頼性は高いがそれ以外に見るところは何も無いという、世界観中で時代遅れな既製品を採用した設定のため。ゲーム的には屈み撃ちが弾速に優れ、牽制と狙撃に使える。 CW:「ホーミングミサイル」…そこそこ高い威力と誘導性を併せ持つミサイルを2発x2セット射出する、当機の主力兵器。2セット目の方が威力と誘導性に優れるが、1セット目でダウンすると2セット目が当たらないなど、現用兵器に近く地味な見た目の割に癖のある性能。屈み撃ちでは大きく打ち上げ、障害物越しに上空から攻撃できる。 LW:「ナパーム」…着弾すると直線状に火柱を連続して上げる焼夷擲弾。ベルグドルの武装の中では相殺性能が高く火力にも優れ即応性も比較的高いと優秀な装備。2連続までの投擲も可能だが、ゲージ回復が残ゲージ量に比例する都合、それをやると後で長時間使えなくなると補給面で癖を抱える。火柱で直線状に敵弾を相殺する進路を確保し、火柱に重なりつつ前ダッシュミサイルを狙うといった使い方もできる。 TRV-06K-H バイパーII 極めて高い滞空能力、機動力を持っている軽量級VR。ただしその代償に装甲は「紙」と称されるほど薄く、ライデンのレーザーを喰らおうものなら9割、アファームドのトンファーに至っては耐久力ゲージが残り1ドットの瀬戸際まで持っていかれる。 RW:「ビームバルカン」…低速、低威力で誘導性も低いが、連射の利くビームバルカン。牽制用に使えるが、射撃後にコッキング動作が入ってしまう。この攻撃単体では弱いが、「相手を動かす」には欠かせない。 CW:「ホーミングビーム」…高威力かつ誘導性に優れるビーム弾を射出。ただし、斜め上に向けて撃つため近くの敵には当たらない。 LW:「7wayミサイル」…前方扇状に7発のミサイルを連続的に射出する。誘導性もそこそこあり、地上では相手を動かす為に使える。空中ではまとめてショットガン状に発射し、ダメージソースとなる。 XBV-13-t11 バル・バス・バウ 脚部のない下半身や手のない腕部など、外観、武装ともに非常にトリッキーな玄人向けの機体。地上での機動性は低いが空中では機動性が高い、装甲も基本薄いが本来高威力な特定の攻撃には妙に耐えるなど全体的に癖が強い。いかに相手から逃げ回りつつ自分のペースを維持するかが重要になる。 RW:「リングレーザー」…威力は低めだが、相殺性能が非常に高く前方投影面積も大きいリングレーザーを射出。ボム系とは違う方向で攻防一体の武装。 CW:「ハンドビット」…両腕をひじから切り離して飛ばす遠隔攻撃端末。相手の頭上からバルカン砲を浴びせたり、ジャンプ中ではレーザーをもう片方の腕に反射させて相手を狙うなど本機の見せ場でもある。敵機の捕捉性能は最高な一方で、漫然と出しても攻撃自体は当たらない。更に両腕を切り離しているので戻ってくるまでは本体は丸腰である。 LW:「フローティング・マイン」…浮遊機雷を射出する。低速、低威力、相殺されやすいと問題も多いが弾寿命が長く誘導性もそこそこあり、「フィールドに長時間滞在し追尾し続ける」という性質で相手にプレッシャーを与え、多角的な攻撃を可能にする特徴的な装備。 MBV-09-C アファームド 接近戦重視の中量VR。CWの一撃は多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた。装甲も厚めで機動性も前進偏重で歪だが高い部類。特に前ダッシュは猛烈な速度を出せる。ただし射撃戦能力に劣るため、いかに近接戦闘に持ち込みトンファーを叩き込むかが勝利の鍵となる。 RW:「ビームショットガン」…ショットガンとあるが散弾ではなく、ある程度進むと小型の爆発を起こすビーム弾を射出する。テムジンのビームライフルに比べ様々な面で全体的に劣り、主力で戦うには厳しい。屈みで撃つとテムジンのそれに近い攻撃となりそこそこ活躍する。ちなみに弾そのものよりも、弾が消えたときに出る爆風の方が威力が高い。 CW:「ビームトンファー」…遠距離時は相殺能力の高いソニックリングを射出する。ただし、本領を発揮するのは近接攻撃で、ダブルロックオン距離が非常に長い上、高速高威力で出始めの数フレームは無敵というハイスペックを誇る。ただしトンファーであるため、振り回す武器そのものはリーチが短い。良くも悪くも本機の主軸となり、最も警戒される装備。 LW:「ボム」…テムジンのそれと似たボムを射出するが全体的に性能が落ちている。横ダッシュで出したときに不発弾になるのは手の動きを最適化出来なかったためで、モーションをよく見ると確かに「投げる」というよりはポロッと「落としている」ように見える。 HBV-05-C ライデン 高火力重装甲低機動の重量VR。CWのレーザーは一撃で甚大なダメージを与える。だが漫然と撃ってもまず当たらないため、如何に当てるかが重要になる。 設定上では「製造コストがとてつもなく高かった(テムジンの20倍)のと、CWのレーザー発振機を作っているメーカーが潰れて、26機分しか作れなかった」ために専用の部隊に26機すべてが配備されたエリート専用の機体である(*6)。肩の艦載用対艦レーザーの所為でベルグドルに準じてトップヘビーではあり、骨格構造も共通なものの、材料から部品までそれに耐えうる高品質なものを用いているため安定性にも問題はない。 RW:「バズーカ」…初速の遅さから即応性にやや欠けるものの、それ以外は平均以上の性能を持つ実弾兵器。しゃがみで撃った時は凄まじい弾速と誘導性能を持ち、距離275の射程限界はあるが対空戦の要になる。一方左右にダッシュしながら撃つとマシンガンの如く弾を連射するが威力はかなり落ちる。 CW:「レーザー」…両肩部のユニットから太いレーザーを照射。元が対艦レーザーなため全高14m程度のVRに与える打撃はまさしく「一撃必殺」。相殺能力も申し分なく、文字通り前方を「焼き払う」。威力に比してゲージ回復力も高いものの、レーザー光線なので誘導性や左右の銃口補正は無い。キャンセルも不可で大きな隙が生じる。相手の隙次第で狙撃に使えない訳ではないが、基本は他の武装で相手を動かし移動先に置いておいて突っ込ませる「置き」武装である。屈みでは並列2連照射→並列4連短射となり威力が更に向上するが置きも難しくなる。ダッシュ攻撃では隙が減るが攻撃力も大きく低下する。 LW:「グランドボム」…地面を這うように進み、敵機や壁に接触すると爆発を起こす円盤型ボム。相殺性能も一応あるが爆風に高さが無いため信頼性に欠け、牽制用としての趣が強い。 評価点 臨場感 以前にもロボットを操るゲームは多数存在していたが、それらのゲームとは一線を画していた部分、それが「臨場感」である。 コクピットを模したデザインの専用筐体と、2本のスティックレバーを使用した操作により、さながら自らがVRのパイロットになったかのような気分が味わえる。 ただしロボ物に拘らなければナムコの「サイバースレッド」「サイバーコマンド」が既に存在していた。未来戦車物なのでジャンプは存在しないが格闘攻撃に関してはサイバーコマンドの方に一機種だけ可能な機体が存在している(*7)。 ゲームデザイン、ゲームバランス 2本のスティックを操作デバイスに採用したことで直感的に立体的な移動を行うことが可能となり、ステージの形状を利用した戦術、所持している武装の選択など、プレイヤーが採れる選択肢の幅は大きく広がった。 例えば目の前に飛んできた敵弾に対処するという行動一つ取っても、「歩くまたはダッシュで避ける」「ジャンプで避ける」「手持ちの武装で相殺する」「地形の影に隠れてやりすごす」と多彩。 ナムコ「アサルト」の操作系の延長発展型だが、「ツインスティックコントローラー」タイプのインターフェイスの基礎が出来上がった。後々の「ガンダム戦場の絆」「ゾイドインフィニティ」等様々な違いはあれど概ねバーチャロンをベースに発展させている。 ゲームスピードは比較的速めで、ダッシュとジャンプを駆使した高速戦闘は今までの3Dアクションシューティングには無かったものであった。 機体間の相性による有利不利はあるものの、プレイヤーの技術介入度が非常に高いため、いわゆる「詰んでいる組合せ」「ハメ行為」と呼ばれるものは存在しない。 大ダメージを受けたり、武装に設定されたダウン値が蓄積すると自機はダウンする。ただし起き上がり時に非常に長い無敵時間が発生するため一旦仕切り直しとなる。相手も起き上がりの行動を読んで起き攻めを仕掛けてくるのだが、そこは読みあい勝負。 「複数の武装を組み合わせた回避困難な連携」というものは確かにチャロンにも存在するが、それは立ち回りをミスしたためその状況に持ち込まれてしまった自身に非がある。 しかし、上級者同士の対戦になってくると…後述。 BGM 爽やかかつ燃える曲が多く、高速戦闘を展開する本作の雰囲気にマッチしている。BGMのファンも非常に多く、後に当シリーズの代表曲となるSTAGE1のBGM「in The Blue Sky」聴きたさにこのゲームに興じるプレイヤーも少なからず存在した。 効果音も演出として効果的に配されている。特にダッシュ時の「キーーン」という軽快な効果音は特徴的で、低HP時の警告音なども併せ「このゲーセンにはチャロンがある」という印にもなっていた。 ストーリー面 VR開発の経緯や、本作で展開されている戦役「オペレーション・ムーンゲート」、(プレイヤー以外の)傭兵部隊の存在など設定面が非常に作りこまれており、ある種の「架空戦記」モノとしての趣もある。 それらはゲーム内で具体的に描写されることはなく、チャロン世界の設定を読み解くための設定資料集や、外伝小説など積極的なメディアミックス展開によって補完され、ゲーム内外において、ゲーム性、世界観やストーリーの両面でプレイヤーの多くを惹きつけた。 筐体周り 本作は「体感ゲーム」(*8)の一種に属するゲームでもあるが、当時の大型専用筐体を用いていた同種のゲームとは異なり、本作は椅子付きでツイン(2台)方式の専用筐体に加えて、所謂「汎用筐体」(*9)でも稼働可能で、これは専用のコンパネとツインスティックデバイスを汎用筐体に接続して組み込む方式にも対応している為である。事実、基板と専用デバイスとコンパネのみでの販売もされた。 この為、当時の場所を取る大型専用筐体よりも設置と稼働のハードルが遥かに低く、結果的に広く普及を促した。 一方でツインスティックという専用デバイスは本作において酷使するゲーム性という事情があったこともあり、修繕やメンテナンスが大変という問題点もあった。詳しくは「問題点」の項目にて。 賛否両論点 「削り合い」の戦闘 盛んにテクニックや裏技が研究された結果、知識のあるプレイヤーと素人との腕前の差が顕著に。 ゲーム自体の高速性と被弾を抑えるテクニックが研究された結果、上位プレイヤーの戦いは回避と牽制、ステージの障害を利用した「削り合い」になっていった。 タイムオーバー時の体力で判定のなされるバーチャロンにおいて、相手を倒すことを目的とせずリードを奪ったら逃げに徹するプレイスタイルの誕生は必然とも言えるが(*10)、これには賛否両論ある。「これこそバーチャロン」と受け入れる人々がいる一方で、「爽快感を欠く」と言うプレイヤーも多かった。 結局このゲーム性は後の作品にも受け継がれていき、3作目の『フォース』で頂点に達することになる。 問題点 操作系 4ボタンとスティックを駆使した多数の動作はいきなりでは覚えづらく、珍しい操作系がハードルとなって投げ出すプレイヤーも多かった。この欠点は仕方ないとも言えるが、この動作の複雑化は次回作の『オラトリオ・タングラム』でさらに顕著となった。 しかも基本操作でさえ隠し操作扱いになっている。それこそガードの仕方さえ教えてくれない。 また一部の機体には文字通りの特殊動作(*11)が存在し、それを知る知らない、使える使えないでは対戦時に大きく影響を及ぼす事も一時問題となった。 機体バランス ちょっと使っただけでわかる強機体や1セット取っただけで拍手喝采の組み合わせがあるわけではないが、機体とステージと戦術の組み合わせでどうにでも転ぶほどでもないのが今作のバランス。 具体的に表すなら「1強1弱1バグ」。 まずは「1強」のテムジン。 クセのない操作性、レンジを選ばずゲージが切れないRW(*12)、威力と範囲が優秀で自分から攻められる性能のCW近接と、もともとの性能から隙が少なく優秀であるが、それをより確実なものにするのがLWのボム。 とにかく便利な性能で、適当に投げているだけでもかなり強い。範囲がそれなりに広く相手の大多数の射撃を一方的に掻き消す(*13)、当然の如くテムジン側は爆風を無視して攻撃でき(*14)、爆風の影から攻撃されると避けるぐらいしかやれることがない場合がとても多い。武器ゲージ回復速度も遅くはなく、1セットの3割ほどの時間は無敵と言われるほど。 更にしゃがみや前ダッシュで投げると威力もかなり高くなり、装甲の薄いバイパーIIなら3発でスクラップに出来る。 格闘攻撃でダメージ勝ちを狙うにも、しゃがみで投げれば相手が弾体の一定範囲内にいれば爆発するという性能上、トリガーを引いた瞬間に爆発する極悪性能に。爆風に触れた時点で怯んで中断することが多くまず無理。 その高性能さから、何も考えずにゲージが溜まりさえすればボムを投げる戦法が横行した。これがかの有名な「ボムジン」である。 ただしバイパーIIとフェイ・イェンならボムとボムの合間に1発だけ当てて逃げ回ると言う戦法で勝利できなくも無い。楽しいかは別だが。 またテムジンに関するテクニックや裏技が他のキャラに比べ多いのも、強さを後押ししているといえるだろう。 次に「1弱」のライデン。 テムジンとは逆にクセが強い操作性に加え、武装もどこかしらの点が劣っているためCPU戦でも安定して勝つまで時間がかかる。 バズーカは初速と威力、グランドボムは相殺性能と威力が弱いと言われている。 そして代名詞であるレーザーは隙がとてつもなく大きいことに加えて、実は2本のレーザーの間に死角があり、細身の機体はライデンの真正面で直立するだけで当たらない。 それでも稼働初期は分かっていても踏む置きレーザーによる必殺性、そしてうかつにジャンプしよう物なら見てからしゃがみバズーカで叩き落とされるという対空性のおかげで1弱ではなかった(*15)。が、CWC(センターウェポンキャンセル)(*16)が浸透した瞬間に、ライデンのみCWC不可という「1弱」となる最大の原因が露呈し、坂道を転がるがごとくランクを落としていった。本来とても重要な攻撃であるダッシュ攻撃が他の機体とは比べものにならないレベルで(性能自体あまりよくないのに)重い攻撃になってしまい、自分から攻めにいくのは勿論だが、頼みの綱のしゃがみバズーカも射程制限がある故に遠距離で相手されると機能せず、後は置きレーザーに引っかかってくれるのを待つ八方塞がりな状態になってしまったのである。 足回りが劣悪なこともあり、相手は遠距離からローリスクローリターンな攻撃を繰り返しているだけでライデン側が追い込まれてしまう。頼みのレーザーも上記な性能なため、「当たらなければどうということは無い」を体現してしまっている。 最後に「1バグ」のアファームド。 研究が進むまでは、トンファーと前ダッシュの速度は凄まじいけどそれ以外が大したことがないため厳しい(ストレートに表現するなら弱い)機体といわれていた。 しかし、アファームドにはかなり実用的なテクニック、むしろシステムの穴をついたバグ技が多く、それらを駆使するとテムジンすら凌駕すると言われるほどになった。 もちろんそれ相応のプレイヤースキルが求められるため誰もが気軽に使いこなせるわけではない。 移動にバグ技、射撃攻撃にバグ技、近接攻撃にバグ技、回避にバグ技と、正真正銘のバグ機体の名をほしいままにしている。 それらを駆使するアファームドの活躍を文字にすると「前ダッシュ同等の凄まじいスピードで8方向にダッシュ可能で、逃げ攻撃である横ダッシュ射撃なのに、連射数は横ダッシュ相当、威力と誘導性は前ダッシュ相当という胡散臭い射撃を行い、不可視な近接攻撃(故にガード不可能)で止めを刺す。」という、何が何だかわからない状況になる。この状態ならボムジン相手でもトンファーでダメージ勝ちできるので問題ない。 ただし、下記の中ボス『ヤガランデ』との相性は、アファームドの戦闘スタイルが通じにくいため非常に悪い。 中ボス『ヤガランデ』 本作の1人用アーケードモードは地上での戦闘となる1~5面、宇宙での戦闘となる6~8面、そしてラストステージの全9面で構成されているが、これに加えて特定の条件を踏むことで5面の後に中ボス・ヤガランデとの対決ステージが挿入される。 このヤガランデが恐ろしく強く、その強さはラスボスのジグラットをも凌ぐと言われるほど(*17)。攻撃力・防御力・機動力全てが圧倒的に高く、攻撃自体も「連射の効くRWのバズーカ」「ヤガランデを起点に扇状に10本のレーザーを放つCW」「4方向に飛ぶ高速弾に分裂、空中にいると誘導するLW」といやらしいものが揃う。 初見では恐ろしく回避困難なLWに加え、RWとCWはライデンのレーザーに匹敵する威力を持つ。軽量級は1発で大ダメージ、重装甲のバーチャロイドでも3~4発喰らえばスクラップと化す。 その巨体のせいでわかりにくいが機動性もテムジンと同等。防御力もライデンを軽く凌駕する。 制限時間も独自設定で1ラウンド「60秒」になり短期決戦となる、これにより後記する一部のキャラは攻略難易度がさらに高い。 特に鬼門なのがアファームドで出現させた場合。巨体のためか格闘のトンファーがまず当たらず、確定するのも「真正面で相手が静止している状況」というかなり厳しい条件がある。そのため一度でもダメージを貰った場合、大ダメージ技による逆転は見込めない。 その出現条件は「5面までのクリアタイムの合計が一定のタイムをオーバーすること」。つまり、明らかにプレイ時間が長引くことへのペナルティキャラとして設定されている。それだけならまだ良いのだが、この制限タイムがかなり厳し目で、攻略に手間取る初心者ほどヤガランデの出現条件を容易に満たしてしまうのである。イメージファイトか! 初心者どころか中級者以上のプレイヤーでさえ手こずらせる難敵であり、「頑張って5面まで進んだのに、クソ強い中ボスにワケもわからないまま瞬殺された(*18)」という被害は各地で後を絶たなかったという。 腕前が上達し、スムーズにCPUを倒せるようになればヤガランデ戦は回避できるのだが、基本設定でも「1ラウンド平均35秒以上」と結構厳しめ、さらに「ヤガランデ出現条件のタイム合計」は店側の設定で変更可能であり、「1試合30秒前後で終わらせたのにヤガランデが出た」というケースもあった。 ただしランキングを狙わない(本作のCPU戦はタイムアタック制である)上級者なら1コインでの試合数が増えると言う理由であえて出現させていたという面もある。中級者以下には迷惑だが。 攻略法としては、前と斜め前以外のダッシュが遅い・使用するダッシュ攻撃はRWのみでかつ回避が容易・遠距離ならCWやLWも脅威にならない、といった弱点を突く事になる。ダッシュ攻撃を誘発させる方法やボムから逃げるロジックを見切る事ができれば封殺する事もできる。そこまでが大変でもあるが…。 コンティニューによりサイズが小さくなり耐久力が減る救済システムもある(*19)が、大型筐体故に店舗側のワンプレイ料金が高めに設定されがちな本作でコンティニューが選ばれる事はほとんど無かった。また弱体化するのは防御力のみで火力に変化はないため、初心者にはやはり厳しい。 オペレーター(従業員)泣かせの筐体 このゲームは上級者ほどツインスティックを酷使する。上級者がこのゲームをプレイすると、冗談抜きでツインスティックを最初から最後まで派手にガチャガチャしっぱなしになってしまう。特に「漕ぎ」と呼ばれるテクニックが発見されてからはそれが顕著で、各地で「ツインスティックが折れてしまう」事態が多発。 そもそも消耗品なうえ故意に壊したわけではないので、プレイヤーに修理費用を請求するわけにもゆかず、対戦が盛んなゲーセンでは結構な修繕費が発生していた。 この問題点は操作系統が踏襲されていく続編『オラトリオ・タングラム』以降でもそのまま残留することとなる。 総評 多数の独自性を持つ本作は、ロボットアニメを見て育った世代にクリーンヒット。 ゲーマーにはもちろんのこと、普段ゲーセンには行かないロボットアニメファンも巻き込む一大ムーブメントとなり、小説、模型化などの多数のメディアミックス展開、続編製作など、90年代後半におけるセガの看板タイトルの一つとなった。 移植 セガサターン、Windows、プレイステーション2、プレイステーション3、Xbox360、プレイステーション4に移植されている。 SS版はハード性能がAC基板に劣っていたものの雰囲気はかなり再現されている。周辺機器としてツインスティックも発売された。しかし、ゲームバランスがAC版と大幅に異なっている。 特に2P対戦(画面分割式)はハード性能の制約かグラフィックが大幅に簡略化され、傾斜のある障害物が完全に撤去されて一部のステージがほとんど障害物のない無個性な平面マップになってしまっている。 致命的な調整として、1Pと2Pで誘導性能が違い、遠距離ではダッシュしても避けられない武器がある(バイパーIIのCWなど)。 またXBANDによるオンライン対戦専用のバージョンも1,500円で発売された。 PS2版はSEGA AGES2500シリーズ内のひとつとして移植された。追加要素もある。 PS2のボタン配置を生かし疑似ツインスティック的なキーコンフィグを設定でき、移植度も非常に高い。また、キーコンフィグにより、1ボタンでジャンプキャンセル可能、ダッシュキャンセルが『オラタン』以降の仕様(ダッシュ中にターボボタン)に変更可能など、シリーズ初心者への配慮がなされている。 ソフトとPS2本体、ディスプレイが複数必要となるが、LANを使った“LINK対戦”(最大でプレイヤー2人分+ライブモニター2台)も可能。 ただしプレステ用の、いくつか存在したツインスティックタイプのコントローラーに対応している物は一切無い。サターン用のバーチャロン専用コントローラーを乗っ取り改造し、設定で選べる操作タイプの一つで完全対応させる事は出来るが工作技術が必要である。 サターン用コントローラーをプレステで使えるように出来る社外品の変換器ではこれを実現させるのは難しい。 PS3/Xb360版は『MODEL2 COLLECTION』シリーズの1つとして配信されており、ネット対戦が可能な他、ツインスティックが販売されている。しかしPS2版と比べるとACから追加された要素は皆無で、ACのベタ移植である。またネット対戦追加の煽りを受けてか、過去の移植版では定番だった画面分割ローカル対戦が削除されている。 SS・PS2移植版では条件を満たすことでかの中ボス「ヤガランデ」を使用できる他、PS2版ではさらに隠し要素としてラスボスの「ジグラット」でプレイするモードも収録されている(但しいずれもプレイヤー使用時は一定の性能調整が施される)。 PS4版はダウンロード専売のオムニバスソフト『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』に収録されている。 続編 1999年に続編の『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』が発売し、チャロンの全盛期が到来した。最終バージョンである『Ver5.66』は今でも大会が開かれる、10年近い年月を経て家庭用ハードに移植されるなど根強い人気を保っている。 余談 波乱万丈の開発記 発売後は一躍人気作となった本作であるが、製作中には様々な苦労があった模様。プロデューサーの瓦氏によるPS2版取扱説明書の寄稿文、Xb360版『フォース』限定盤冊子内のコラムなどでそのことが語られている。 + ... そもそもこの時代のアーケードゲームメーカーには「ロボットを題材にしたゲームは売れない」というジンクスがあった(*20)。にもかかわらず新入社員からはロボットゲームの企画書がいくつも上がってくるため、中山社長(当時)が「これだけ言ってるんだから、1回くらいやらせて身をもってわからせてやるか」と判断した…という経緯で開発にGOサインが出た。それが本作である。 この時点でもう笑えない話なのだが、さらに開発者の上司であり反対側の急先鋒であった鈴木久司常務(当時)から何度も「開発を中止せよ」と言われたり、開発中には『デイトナUSA』の名越プロデューサーにスタッフを引き抜かれたり、果てには2度のロケテストを経た開発最終段階で、社長から「IPごとB社に売却したほうが儲かるし良いのでは?」と言われたりと散々な目に遭っている。 しかし、最後の最後で鈴木久司常務は「私はIP売却には反対です。こいつらが頑張ってここまで形にしたし、ロケテでも公約通りいい結果を出した。これは我が社に残しておくべきです」と味方についてくれた。そして彼のプッシュのおかげで無事世に出ることができた。 ちなみに、鈴木久司常務はAM2研の『ハングオン』でも「こんな恥ずかしい物誰がまたがる」『スペースハリアー』でも「人間が空飛ぶとか頭大丈夫か?」と反対し続けた過去がある。それに対して開発者の鈴木裕氏は「売れなかったなら損失取り戻すまで給料無しでいい」として開発を押し通した。 似たような事例として、名越稔洋監督の『龍が如く』も「ヤクザ・裏社会がテーマの作品は売れない」という理由で発売前はあまり期待されていなかった。 このように、セガにはあまり期待されていなかった商品に限って成功し、逆に鳴り物入りだった商品に限って失敗するというジンクスがある。ビジネスではよくあることであるが。 開発当初は筒型で頭頂部に1つボタンがついたレバーで、ダッシュはレバーを同一方向に素早く2度倒す方法だったが耐久度とダッシュのやりにくさから現在の2ボタンのスティックの仕様となった。 ゲームでは表ざたにされない設定だが、本作のバーチャロイドは見た目リアル系に見えつつ、その実は「 月で発見されたロストテクノロジーの産物 」であり、「 物体をデータ化し電脳虚数空間と呼ばれる異空間を通じて別所へ転送した後、再び元の形に実体化させるという技術を応用して作られた 」という設定になっている。「パイロットが乗り込む操縦席ユニットに組み込んだバーチャロイドの設計図を基に、この技術を応用して本体の外観を具現化させる(*21)ことによって、バーチャロイドの機体が成立しているという、なかなか独創的な設定である(*22)。 今でこそ『バーチャシリーズ』という言葉は『バーチャファイター』シリーズの略称として定着しているが、元々は1992年の『バーチャレーシング』以降制作されたセガ製のフルポリゴンゲームを総括するシリーズ名称のようなものであった。 本作の「バーチャロン」というタイトルもそれに則ったものだが、「バーチャル」という言葉を根源とする名称が設定面レベルで密接に結びついているのも珍しいと言えよう。 PS2版のROMデータ内には AC版の没BGM が入っていることが分かっている。が、PS2版のサウンドテストでは没BGMは再生されないようになっている。 そのためチートやら「PSOUND」なんていうのを使わないと聞けないようになっている。(ただし、没SEは聞ける。) でも今ならサントラで聞けるからわざわざこんな事して聞くのは...